「2025年11月卒業生コース」について(3) ―SOLからのお知らせvol.365―

(2024年10月3日 20:00)

こんにちは。SOLからのお知らせです。
前回は、首都圏の有名私立大学の帰国生入試や総合型選抜の合否判定で重要な役割を果たす日本語小論文試験について、漢字を正しく使えたり適切な表現で文を書いたりできることが答案の評価を決める材料の一つになるという話をしました。この能力を向上させるには、添削済みの答案に書かれたコメントなどを踏まえながら書き直しをすることが学習を進めて行く際に重要なステップとなります。

さて、日本語小論文試験の過去問を見たことがある人なら分かると思いますが、この試験では問題に学部・学科が専門としている学問に関連したA4用紙で1、2枚分の長さの文章が付いているのが通常です。そして、そこで取り上げられているトピックに関する自分の考えを述べることを求めるもののように、問題も与えられた文章の内容とつながりがあるものになり、「問題文の筆者の主張を踏まえた上で」、「問題文での主張を参考に」といった条件が付いたものもあります。

以前は1、2行の文で論ずるべきテーマの指定があるだけという問題も多くありましたが、上で述べたような出題形式が主要なものになったのには、採点者が事前に予測していないような答案を提出されると手間がかかることも関係していると思われます。ただし、最近は学生に商品開発プロジェクトのようにアウトプットの機会を与える大学や学部・学科ばかりが注目されている一方で、大学教育の本来の趣旨を踏まえると学部生である4年間は学問的な思考ができるようになるための基盤を作る期間であり、そのためのインプットが順調に行えるための資質があることがそこで成果を上げるための必要条件になります。

そして、そのような資質の中でも、学問に関連した文章を正しく理解できることが重要なものであるので、帰国生入試や総合型選抜でも受験生の読解力を試すような形式の問題が出題されるというのは当然の流れになると思います。実際に、日本語小論文試験では上で見たような形で小論文の問題が出題されているだけでなく、早稲田大学政治経済学部のグローバル入試のように様々な形で受験生の読解力を測るような問題を含むものが少なくありません。

実際の試験で用いられている文章には、これまで本を多く読んできたという場合でも、18、19歳という年齢層の人にとっては一定期間(年齢相応の日本語運用能力がある場合でも2ヶ月以上というのが通常です)、よく目にする語彙や関連する知識を確認したり、全体の構造から筆者の主張やその論拠を抽出するためのトレーニングを行ったりするといったことがないと問題作成者や採点者が求めている水準まで理解が深められないものが多く見られます。

このような取り組みの中で高い効果が期待できるものの一つに、与えられた文章について自分なりに汲み取れたと思った内容を入試で出題されるようなものを読むことに慣れた大人に聞いてもらい、十分に目配りができていなかったり誤った形で読んでしまったりしている箇所についての指摘を基にもう一度読み直してみるというものがあります。それによって今までの自分にはなかった視点や文章を読む時にチェックすべきポイントといったものを吸収しやすくなるようです。

SOLの帰国生大学受験セミナーで実施する日本語小論文試験の授業では答案の書き直しを勧めていますが、その際、「問題文が~という点で正しく読めていない」というコメントに従って問題文をもう一度読んでみる体験を積み重ねることのも同様の効果が期待できます。これも「2025年11月卒業生コース」の1学期(2024年12月9日~27日、2025年1月4日~22日)の6週間少人数制グループ指導を行う理由の一つです。

なお、「2025年11月卒業生コース」の概要に関しては以下のリンク先のウェブページをご確認ください。

【「2025年11月卒業生コース」概要】
https://www.schoolofliteracy.com/seminar/course2/index.html#c01

それでは、帰国生大学受験セミナーの授業の日程や内容、授業料についてご質問などがある方は以下のフォームよりご連絡いただくか、info@schoolofliteracy.comまでメールにてお知らせいただければと思います。よろしくお願いいたします。

【お問い合わせフォーム】
https://www.schoolofliteracy.com/contact/

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