「2025年11月卒業生コース」について(2) ―SOLからのお知らせvol.364―

(2024年9月27日 15:30)

こんにちは。SOLからのお知らせです。
前回は、オーストラリアやニュージーランドといった南半球の国の高校に在籍している人を対象とした「2025年11月卒業生コース」の授業スケジュールをお知らせしました。それを見て、来年の9月から実施される帰国生入試や総合型選抜を受験する人が受講するにもかかわらず、最終学年に入る前の12月、1月といった時期に6週間も授業が実施されるのはなぜかと不思議に思った人も少なくないかもしれません。

多くの人が受験する首都圏の有名私立大学の帰国生入試や総合型選抜は、書類審査の段階で不合格者が出る少数のもの(例えば、慶應義塾大学の帰国生入試やICUのユニヴァーサル・アドミッションズ入試がこれに当たります)を除くほとんどのものが、TOEFL iBTやIELTSといった英語運用能力試験の成績と日本語小論文の出来で合否が判定されます。

この2つのうち、どちらが合否にどれだけの影響を及ぼすかは入試によって異なりますが、例年、受験者が多い早稲田大学政治経済学部のグローバル入試では、例えばIELTSのスコアが7.0や7.5であっても、「日本語試験」(日本語で書かれた学術的な文章の読解問題などを解くもの)の成績が一定の水準を上回っていなければ不合格になってしまいますし、6.5の人でも「日本語試験」の出来がよければ合格する可能性があります。

日本語小論文試験では、与えられた問題文を正しく読解すること、その内容を踏まえながら論じることが求められているトピックについて説得力のある主張を構築すること、それを正しい日本語や読み手に内容が伝わりやすい構成で提示することを求められるのが一般的です。これらの点について合格に必要なものが揃っているという評価がなされる答案を作成できるようになるための学習法として、日本語小論文試験対策の教材を読んで必要なものを確認したり、予備校や塾で配布される模範答案を読んだりするだけでは適切なものとは言えませんし、各入試で出題されるような問題を1回だけ解いて、授業で解説を受けたり答案に付いたコメントを見たりするだけというのも実力を伸ばすのに十分なものではありません。

それでは、どのような形で受験準備に取り組むべきでしょうか。例えば、日本語小論文試験において、「漢字が年齢相応に正しく書けていること」や「日本語で正しい表現を使って文を書くこと」は外形的なものに過ぎないと思う人がいるかもしれません。しかし、これらの条件を満たしている答案は、パッと見た時に「読むに値するマトモな答案だ」という印象を採点者に与えますし、受験者のほとんどが同じような話を書くような問題が出題されたり、受験者の数が採点者のキャパシティーを超えたりするような状況では合否の判定に大きな影響を及ぼします。

漢字の学習(目標は読めるものが日本の高校卒業時、書けるものが中学校卒業時に求められるものです)については、自分の現状を確認した上でそれに合った問題集に取り組むことも重要ですが、作成した答案で誤りだとされたものを問題文の内容などを踏まえながら直してみることが正しいものを記憶に定着させるのにつながります。また、日本語の表現も、添削者が提示してくれたものの方がなぜ適当とされるのかなどを考えながら、答案を書き直す際にそれをなぞってみたり、様々な形で書いてみることで自分のものよりも正しいのはどのような形なのかについての理解を深めたりすることが学習プロセスの中で重要なステップとなります。

このようなことを踏まえると、日本語小論文試験の対策では与えられた問題についての答案を1度作るだけでは十分と言えず、添削された際のコメントなどを踏まえて何度も書き直すことが望ましいと言えるはずです。これが「2025年11月卒業生コース」で、南半球の高校で最終学年に入る前の12月、1月に6週間授業を行うことの理由の一つですが、次回はこの点について文章の内容や構成の面からも考えてみたいと思います。

なお、「2025年11月卒業生コース」の概要に関しては以下のリンク先のウェブページをご確認ください。

【「2025年11月卒業生コース」概要】
https://www.schoolofliteracy.com/seminar/course2/index.html#c01

それでは、帰国生大学受験セミナーの授業の日程や内容、授業料についてご質問などがある方は以下のフォームよりご連絡いただくか、info@schoolofliteracy.comまでメールにてお知らせいただければと思います。よろしくお願いいたします。

【お問い合わせフォーム】
https://www.schoolofliteracy.com/contact/

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