現在の教室の状況について(2024年9月24日)―SOL帰国生大学受験セミナーについてvol. 309―

(2024年9月24日 16:15)

こんにちは。SOLの余語です。
前回は、高校から英語圏の国に留学した人が自己評価や学習意欲の著しい低下といった問題に直面した場合の「プランB」として、母語である日本語を用いて高校での学習や日常生活の中で蓄積した体験的知識を整理する機会を定期的に持つことを挙げました。これにより英語を実際に使う中でその運用に関するルールを習得することに伴う負担を軽減することができます。

さて、英語圏の国に滞在している間にどのような形であれ日本語にふれてしまうと、英語を使う時間が減るだけでなく、日本語の単語の使われ方や文法のあり方が思考に干渉するようになり、英語の習得が効率的に進まなくなるのではないかと考える人も少なくないかもしれません。特に、英語学習について論じる文献などでよく見かける「英語脳」というコンセプトに一定の説得力を認める人は、母語である日本語を用いて英語についての理解を深めることは効果のある方法だとは思えないはずです。

しかし、言語運用に関わる脳科学の研究では、母語が設定された時点(6~12歳の間のどの時期かは論者によって異なります)から後に第二言語を学んだ場合、どれだけ習熟度が高まったとしてもそれでコミュニケーションを取る際に母語が介在する(例えば、発話する場面で述べようとする内容を母語で言語化した上でそれを第二言語に変換するということです)のが通常であるとされています。日本語を母語としていても英語圏のネイティブと同じ形で英語を運用できているように思える人は脳内での日本語から英語へ、もしくは英語から日本語への変換が「自動化」されており、そのスピードが速くなっているのです。

この母語と第二言語の間の変換の「自動化」を支えるものの一つが、第二言語がどのようなルール、もしくはイメージに基づいて運用されているのかについての深い理解です。この点、海外に滞在した期間が長く、そこで使われる言語の使用体験を適切に整理できる能力が高い人であれば、ネイティブなどとコミュニケーションを取る機会を蓄積したり、文章を多く読み書きしたりするだけで英語に関する理解を十分身に付けることが期待できます。

一方で、高校から英語圏の国に単身留学した人は、高校卒業までの期間が3年間しかありませんし、海外に渡航する前の段階で英語の学習に全く取り組んでいない、もしくはその範囲や期間が限定的なものである場合には、英語がどのように運用される言語なのかについての理解をそれを実際に使用する体験を通じて深めるために必要な量のインプットを得ることができません。その結果、言語間の変換の「自動化」が見られる範囲が、例えば日常生活の中でよく見聞きされるものという形で、狭いものになってしまうのです。

このようなことを踏まえても、海外での日常生活や高校での学習の中で得た英語運用に関する体験的知識を母語である日本語を用いて整理する機会を定期的に持つことが「プランB」として重要だと言えそうです。前回の記事でも述べましたが、SOLでは日本時間の平日9時半から19時半の間にzoomを用いたオンライン通信指導を実施していますので、関心がある人はこの記事の最後にあるフォームなどからご連絡ください。よろしくお願いいたします。

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