現在の教室の状況について(2024年7月10日)―SOL帰国生大学受験セミナーについてvol. 305―

(2024年7月10日 12:30)

こんにちは。SOLの余語です。
前回は、高校から英語圏の国に留学する際に、そこでの目標が曖昧であったり自分の置かれた状況に真剣に向き合うことがなかったりする人だけでなく、海外での生活でより多くのものを得たいという気持ちを強く持っている人でも、日常生活や高校での授業の中で問題に直面する可能性があるという話をしました。特に後者のケースでは、自分の弱みだと評価するものについて他の人と共有することがあまりないため、留学を検討している人がここまでの記事で述べてきた問題についての理解を深めることがより難しくなります。

さて、「SOL帰国生大学受験セミナーについて」というシリーズでは、半年くらいの期間をかけて、英語圏の国の高校で留学生として学ぶ人が、特に海外に渡航するための準備としての英語学習を行っていなかったり、その範囲や期間が限定的であったりする場合に大きなストレスを抱えたり自己評価が著しく低下することに苦しんだりすることがあるということを確認してきました。

SOLは、基本的に日本の大学の帰国生入試や総合型選抜を受ける人の学習をサポートする教室ですので、カナダやアメリカ、イギリスのような北半球の国や地域に留学している人が本格的な受験準備を始める高校卒業の時点よりも前の時期に焦点を当てた記事をブログに掲載するのはなぜかと不思議に思った人もいるかもしれません。

首都圏の有名私立大学の帰国生入試や総合型選抜では、書類審査や面接試験のみが実施されるごく一部のものを除いて、TOEFL iBTやIELTSといった英語運用能力試験の成績と日本語小論文試験の出来によって合否が決定します。このうち、前者に関しては高校を卒業する前までに、TOEFL iBTのスコアだと100、IELTSであれば7.0に到達していることが受験できる入試の選択肢を最大限に広げることにつながりますし、筆記試験が実施される前の2、3ヶ月間に日本語小論文試験の対策に多くの時間を注力できることによって受験で満足できる結果を残すことができる可能性が高まります。

しかし、英語圏の国や地域で生活を送る中で自己評価が著しく低下してしまうという状況に陥ると、多くの場合、その原因となった英語という言語に強い嫌悪感を抱くようになり、英語運用能力試験の成績を上げるために意味や用法が分かる語彙を蓄積したり文法の理解を深めたりといった学習を行うことを忌避するようになります。これまでにこの教室では、日本語小論文の学習には積極的に取り組むのに、TOEFL iBTやIELTSの対策になると瞼が自然と落ちてきてしまうという人も複数名見てきましたが、このような状況になっていない場合でも、上で述べたような取り組みに多くの時間をかけられないようであれば、帰国生入試や総合型選抜で十分な成果を上げることが難しくなってしまいます。

また、学習に積極的な姿勢で臨むことができないという状態で、その対象が英語だけでなくその他の領域にも及ぶようになると、日本語小論文試験に向けた準備も順調に進めることができなくなることが考えられます。例えば、試験本番で与えられる問題文を正しく理解できるようになるために、そして、小論文の内容を説得力が伴ったものにするために、受験する学部・学科が扱う学問に関連した知識を様々な形でインプットしていくことが求められますが、学習意欲が低い人はそのような取り組みを積極的に行おうとはしませんし、そもそも自己評価が大きく低下してしまうと新たな挑戦となるもの全てに否定的な姿勢を見せるようになる傾向があるようです。

このように、英語圏の国や地域での日常生活や高校での学習で問題に直面することは帰国生入試や総合型選抜の受験準備における「足枷」になってしまうことがあるため、僕らもそのような状況を回避するために何ができるのかをこれまで考えてきました。そして、問題が生じた際の「プランB」を用意しておくことがその一つに当たるのだと思います。

なお、現在の教室の様子を写真で確認したい人は、SOLのFacebookやInstagramのページを定期的に更新していますので、そちらを見てもらえればと思います。よろしくお願いいたします。

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