現在の教室の状況について(2024年7月2日)―SOL帰国生大学受験セミナーについてvol. 304―

(2024年7月2日 19:30)

こんにちは。SOLの余語です。
前回は、カナダやオーストラリア、ニュージーランドといった英語圏の国に高校から留学する人をサポートする留学エージェントの中には、苦しい状況に陥った人をサポートしたいという考えから、例えば不登校になった人に留学を勧めるところがあるという話をしました。教育や介護の現場では、善意に基づいた活動の中でその対象になる人の実際の姿を見失ってしまうことが問題視されていますが、上のようなケースでもそれが原因で留学している人が直面している問題が見逃されることがあるため、何らかの形でその影響を受けている人に「自己責任論」的な言葉を投げかけるのは望ましくないということになります。

さて、英語圏の国へ留学している中で、日常生活や高校での学習に関する問題が生じるという話になると、そこで主に取り上げられるのは、留学をしている間の目標が曖昧なまま海外に渡航してしまった人や、自分が置かれた状況に真剣に向き合うことがない人であると予想するのが通常だと思われます。しかし、実際に単身留学生の様子を見たり、彼ら/彼女らの話を聞いてみたりすると、事情は単純なものではないようで、上で述べたようなケースでも、他の人から見れば問題がある状況に気付いていなかったり、確かな目標がないためにただ海外で生活ができることに何となく満足していたりする人が多くいます。

一方で、高校からの留学は普通の人にとって体験できない貴重な機会なのでできるだけ多くの成果を上げたいと考えていたり、日々の学習に地道に取り組む姿勢を持っていたりする人であっても、ここまでの記事で述べてきたような問題に直面する可能性が低いとは言えません。このような人の中には、英語運用能力が順調に上がり、現地での生活にうまく適応できる人も一定数いますが、周りの人と共有したいことを伝えられるようになることに予想以上の時間や手間がかかることで自信を喪失してしまったり、海外に渡航する前に考えていた形で人間関係が広がっていかないことで大きなストレスを抱えてしまったりした人を今までに少なくない数見てきました。

高校からの英語圏の国への留学を検討している段階で正しい判断をするために、どのような状況でどのようなリスクがあるのかについても情報を集めようとする際に、マスメディアやインターネット、留学エージェントを通じてそのような話にふれることがないので、実際に留学経験がある人に話を聞こうと考える人もいるかと思います。しかし、留学生活に真面目に向き合うことのなかった人は自己評価が低下したり、学習意欲が弱くなってしまったりということをそもそも経験することが少ないですし、最も参考になる情報を持っているはずの海外での生活をよりよいものにする意欲が強かった人も、最低限のプライドを保つために、自分の弱さを示すと彼ら/彼女らが評価するようなことを他の人と共有することに消極的になってしまうことがあります(僕らにそのような話をしてくれるのは一定の時間をかけて信頼関係を築いた後であることが通常です)。

このような事情から、高校で英語圏の国に留学した人が置かれる状況についての理解を深めることがそれを体験していない人にとってより一層難しいものになります。それを踏まえると海外で生活を送る中で様々なことに対する意欲が弱いものになってしまった人に「自己責任論」的な言葉を投げかけるのは酷なことになるのだと思います。

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