現在の教室の状況について(2024年5月27日)―SOL帰国生大学受験セミナーについてvol. 299―

(2024年5月27日 19:00)

こんにちは。SOLの余語です。
前回は、高校から英語圏の国に単身留学した人が、海外渡航前の準備としての英語学習に十分に取り組んでおらず、文の構造を文法的な観点から分析する力が身に付いていない場合、意味の分かる単語や表現だけを抜き出して、それを出て来た順に並べたり、自分の頭の中にある知識や理屈にすり合わせたりする形で文の内容を把握しようとする「釣り読み」という形で対応するケースが多く見られるという話をしました。このような習慣が定着してしまうと、自分が日々学んでいるものが何かを見失ってしまいますし、文章の構造を踏まえながら内容を理解する力が伸びないといった問題に直面することにもなります。

英語圏の国の高校では、日本の高校と違い、与えられたテーマについてのリサーチを行い、それを基に自分なりの考えを文章にするという課題を与えられることが多くあります。このような課題への対応について、生徒が書いているものを提出期限となっている日にちより前に教師が複数回確認して、見直しをすべき箇所などを指摘したり、それをどのような方向性で進めるべきかに関するアドバイスを行ったりするようなサポートを行う体制が整えられているところが少なくないようです。

これは、生徒が個人的に直面している問題に細かく対応することで彼ら/彼女らから学習意欲を引き出そうとしているという点で望ましいと思われる一方で、実際にこのような形で指導を受けた人からは「なぜ自分が書いたものが誤りと判断されたのかがよく分からなかった」という声も聞かれます。このブログを読んでいる人のほとんどは母語が日本語だと思われますが、それを第二言語として学んでいる人が書いた文章を見て、文法的に誤っていたり適当でない表現を使っていたりする箇所を指摘し、そのように考えた理由をできるだけ秩序だった形で説明することを求められた時に、どのように自分の考えを伝えればいいのかに戸惑いを感じる人は少なくないかと思われます(例えば、「は」と「が」の使い分けについて考えてみてください)。

英語圏の国の高校の教師の中には、英語を母語としない人にそれがどのような原則に基づいて用いられているかを説明するための専門的な訓練を受けている人もいる一方で、特に言語系の科目を担当していない場合に、生徒から提出されたレポート内にある文法もしくは単語や表現の用法の誤りをただ直すだけで、なぜそれが必要なのかを適切に言語化ができないという人が多くいます。これは、上で見たような母語の使い方を意識的に捉えることの難しさを反映しているものだと考えることができますが、このような教師に指導を受けると、学習者は文法的に正しいというのはどういうことか、ある単語や表現はどのような形で使えばよいのかといった点を実際に使用する体験を蓄積し、自分なりの仮説を検証しながら理解を深めていかなければならなくなります。

このようなプロセスは学習者にとっては精神的な負担がとても重たいものであり、文章を作成するときに使う単語や表現のレパートリーを狭めたり、どうしても自分では整理できない文法的なルールについては考えることを放棄したり(例えば、これまでの生徒の中には、動詞の過去形とhave doneの使い分けがよく理解できないので、どのような場合でも後者を使うという人がいました)という形で対応する人もいるのですが、混乱した状態のままで海外での生活が終わってしまう人も多くいます。そして、そのような状況の中で自分が何をしているのかを見失ってしまうケースも少なからず見られるので、高校から単身留学する際には「プランB」を考えておくべきだと思います。

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