現在の教室の状況について(2024年5月6日)―SOL帰国生大学受験セミナーについてvol. 296―

(2024年5月6日 18:30)

こんにちは。SOLの余語です。
前回は、高校から英語圏の国に単身留学している人は、少なくとも1、2年間、彼ら/彼女らと同じ目的で東アジアの国などから渡航してきた人たちを中心に人間関係を形成することが多く、英語運用能力の伸長の観点からするとそれには望ましい側面があるという話をしました。しかし、英語圏のTVドラマや映画を見てそこでの生活に対するイメージを形成していたり、人間関係のスクールカースト的な捉え方が内面化したりしていることで、英語圏のネイティブと親しくなるのが難しいことによって自分に対する評価が厳しいものになる人がいます。

ここまでは、日本の中学校を卒業し英語圏の国の高校に入学した人が日常生活の中で直面しうる問題に注目して話を進めてきましたが、彼ら/彼女らは高校での授業においても厳しい状況に置かれることがあります。例えば、英語圏の国の高校のカリキュラムは、生徒が履修する授業の一部を選択できるような形になっているのが一般的で、高校卒業後に大学に進学しない人のための職業訓練的なものもある一方で、少なくとも(英語が母語でない人を対象としたものを含めて)英語や数学などいくつかのアカデミックな授業の単位を取得していないと卒業の条件を満たすことができなくなっています。

このうち、単身留学生が履修を勧められることがある前者で使われる単語や表現は周りの人と日常的なコミュニケーションを取る際のものとそれほど数が変わらないのですが、アカデミックな授業で生徒が理解しなければならないものにはその範囲の中に入らないものが多くあります。英語学習に関する研究の領域では、アカデミックな文章の80%(高校の授業で扱われるものはここに入るものがほとんどだと思われます)は、3月25日の記事で紹介した方法でカウントすると、2000語くらいで構成されていると言われており、形で違うものを1語と数えればその数は3、4倍以上のものになるはずです。

その上、これらの単語や表現には高校の授業外で耳にする機会が限定的なものが多いことに加えて、それが使われることによって周りの人の表情やその場の雰囲気に明確な変化が起きたり、誰かが何らかの行動を起こすようになったりすることがあまりない、もしくは意味や用法について様々な解釈が成り立つ形で生じるといった点で具体的な文脈に依存しないものが少なくないという特徴があります。

そのようなものの意味や用法を把握するには英和辞書を用いることが日本語母語話者にとっては最も効率的であるはずです(ここで日本語運用能力が年齢相応の水準まで伸びているかが大きな意味を持ちます)が、留学前の準備としての英語学習に取り組んでいない人の多くはそのような習慣が定着していないため、周りの人がどのように使っているかを観察することを通じて仮説を立て、それを徐々に修正していくという時間と労力が膨大にかかるプロセスを取ることになります。

また、最近のPCにはスクリーン上に表示されている単語の意味を調べる機能が付いているものもあるようですし、インターネット上でも同様のサービスがあります。しかし、そこで使われている辞書は掲載されている語数や意味が非常に限定的なものであり、読解しようとしている文章などの内容と合うものが見つからないということがよく起こります。それに加えて、英語圏の国の高校では課題が多く出されるために、このようなものすら利用する時間的、精神的な余裕が感じられず、授業で見聞きするような語彙に関する知識を蓄積するのに時間がかかってしまうというケースもよく見られます。

この結果、自分が高校でどのようなものに取り組んでいるかを見失ってしまい、成績もなかなか伸びていかないという状況が生じ、そこでの学習に対する意欲が低下したりそのような自分に対する評価が厳しいものになっていったりといったことも起こります。このような学習に関する問題を考えても、高校から単身留学する場合は「プランB」を考えておくべきということになるのだと思います。

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