既卒生/2024年5月・6月卒業生コースについて(9) ―SOLからのお知らせvol.342―

(2024年4月4日 18:00)

こんにちは。SOLからのお知らせです。
前回は、SOLの教室の中心にある共有スペースにおいて、教師と様々なトピックに関してコミュニケーションを取る機会が多くあるという話をしました。最近、SNS上で、日本社会が直面する問題について帰国生入試や総合型選抜の日本語小論文試験では高い評価を受けられないような主張が注目を集めることが多く、それに賛同する18、19歳の人も少なくありませんが、僕らと日常的に会話することを通じてそれとは異なる捉え方などにふれることが彼ら/彼女らの視野を広げることにつながるようです。

さて、以前の記事で、SOLの帰国生大学受験セミナーの生徒の中で自己肯定感が低い人が増えているという話をしました。このような人は、自分よりも何か重要なことを成し遂げているように見える年齢が上の人と会話するのが不得意であることが多いのですが、帰国生入試や総合型選抜では面接試験が実施されるのが一般的です。それで結果が決まってしまうものは非常に限定的であるものの、受験している大学や学部・学科で学びたいと考える理由などを試験官である大学の教員(40、50歳という年齢層の人がほとんどだと思われます)に明確な形で伝えられることが合否判定においてネガティブに働くことはないと思われます。

SOLの教師は2人とも面接試験の試験官の多くと同じ年齢層にあるので、「教師といつでも気軽にコミュニケーションを取ることができる環境」である教室の共有スペースにおいて蓄積した体験が、実際の入試でどのように大人相手の会話を展開していけばいいかを考える材料になるはずですし、自分にとって親密さが感じられない社会的なグループとコミュニケーションを取ることによって生じる精神的な緊張状態もそのような状況に「慣れる」ことで大幅に緩和されるのではないかと考えています。

また、最近、子どもに自分たちが若い頃に「努力を積み重ねたことで何かを成し遂げた」といった「武勇伝」を話す大人の存在が子どもの健全な発達の観点から問題だとする論考が目立つようになりました。もちろん、彼ら/彼女らは、「自分と同じように何かを達成する能力がある」ことを認識させることで、自分の周りにいる子どもからモチベーションや積極性を引き出そうとしているのだと思いますが、それは逆に「自分は何をやってもかなわない」という形で子どもの自己肯定感を低下させてしまい、他者とコミュニケーションを取ったり新しい物事に挑戦したりする際に萎縮させてしまうようです。

このような形で子供を鼓舞しようとするのには、人間には過去の記憶を整理する際に自分が「頼りない存在」であったことを示すものを排除してしまう傾向があることも関係しているのではないかと思います。この点、僕らは大学在学中から18、19歳の人々と日常的に接してきており、通常の大人と比較すると自分たちが彼ら/彼女らと同じ年齢層の「頼りない存在」であった頃の記憶を(その時期にあった出来事を繰り返し話すことによって)そのままの形で維持できていることで、生徒からコミュニケーションを取る際などに「敷居の低いオジサン」と見なされていると感じることが多くあります。

その結果、SOLの帰国生大学受験セミナーで学んでいる人のほとんどは、教室で一定の期間過ごすと、僕らと話すことに積極性を見せるようになりますし、周りの大人とのコミュニケーションに対しても徐々に同様の姿勢で臨むようになるようです(保護者から驚いたという話を聞くことがあります)。このような変化は帰国生入試や総合型選抜の面接試験に対応することを考えるとポジティブなものであるはずですが、これも教室に共有スペースのような空間があるからこそ生じるものだと思います。

「既卒生/2024年5月・6月卒業生コース」の概要は以下のウェブページにおいて確認できます。

【概要】
https://www.schoolofliteracy.com/seminar/course1/index.html#c01

【帰国生大学受験セミナーの授業の特徴や内容などについて】
https://www.schoolofliteracy.com/seminar/info/index.html#c01

それでは、帰国生大学受験セミナーの授業の日程や内容、授業料についてご質問などがある方は以下のフォームよりご連絡いただくか、info@schoolofliteracy.comまでメールにてお知らせいただければと思います。よろしくお願いいたします。

【お問い合わせフォーム】
https://www.schoolofliteracy.com/contact/

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