こんにちは。SOLの余語です。
3月4日の記事では、例年、SOL帰国生大学受験セミナーで生徒の多数を占める、高校からカナダやアメリカ、オーストラリア、ニュージーランドといった英語圏の国に単身留学した人の中に、海外に渡航する前の準備としての英語学習に取り組んでいない、もしくはその対象や期間が限定的なものになっている人が多くいるという話をしました。このような人は、英語圏のネイティブのものを基準にすると、高くて小学校低学年程度の英語運用能力で自分の母語が主な使用言語ではない環境での生活に飛び込むことになります。
彼ら/彼女らと話していると、英語圏の国に到着した時点で心理的に圧倒されてしまったというケースが少なくないことが分かります。子どもを留学に送り出すことができるだけの経済力がある家庭で育った人であれば、家族で海外旅行に行った、または中学生の時に短期の海外研修に参加したといった経験があると思われますが、高校からの単身留学では、そのコーディネイトを行うエージェントが、JTBやHISといった旅行会社のように航空券やビザなどの手配を行うだけで、英語運用能力が様々なことに対応することが難しい水準にあったとしても、留学生を一人で目的地に向かわせることがあるようです。
初めて自分一人で降り立った異国の空港では、まず一般的に15、16歳まで日本社会で育った人が置かれていた環境とは大きく異なる、そこにいる人々が多様な民族で構成されているという光景を目にすることになりますし、周りの人が話している言語や彼ら/彼女らの振る舞いに対して強い違和感を持つということもあるでしょう。中には、空港内にある看板に書かれている単語の意味が分からず、バスやフェリーに乗る場所を探してさまよっているうちに予約していた時間が過ぎてしまいパニックに陥ってしまったというケースもありますが、ここまでのことが起きなかったとしても、一人で空港の中を歩いている時に海外での生活に対する不安を感じるとともに強い緊張状態を経験したというのはよく耳にする話です。
その後、空港や港、バスターミナルなどの指定された場所でエージェントに渡された写真で見ていたホストファミリーやガーディアンと対面し、ホッと一息つくことになるものの、彼ら/彼女らが日本語を話すことができる場合を除いて、自分の母語とは発音やリズムが大きく異なる言語を中学校の英語の授業では体験したことのないスピード感で使いこなす人々とコミュニケーションを取ることになります。また、海外に渡航する前の段階で英語の語彙や表現に関する理解を十分に蓄積できなかった場合には、ホストファミリーが自分たちが話していることが伝わっていないことを理解して発話のスピードを落としてくれたとしても、言っていることが全く理解できず、精神的なパニック状態に陥ってしまうということもあるようです。
このような形で新しい環境に入っていくことによって、英語圏のネイティブとのコミュニケーションにおいて常にメッセージの受け手の側に自らを置いてしまうような意識づけをしてしまい、それがその後の英語運用能力の向上や海外での生活への適応の足枷になってしまうケースもあります。ここで見てきたように、初期段階においても強い精神的な衝撃を与えるものであることを考えると、高校からの単身留学は「プランB」を用意しておくべきものと言えるのかと思います。
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現在の教室の状況について(2024年3月18日)―SOL帰国生大学受験セミナーについてvol. 288―
(2024年3月18日 18:30)