現在の教室の状況について(2024年3月11日)―SOL帰国生大学受験セミナーについてvol. 287―

(2024年3月11日 19:30)

こんにちは。SOLの余語です。
2月26日の記事では、インターネット上にGoogleやWikipediaのようなサイトが現れ、自分が直面している問題に対する答え(と思えるもの)を検索すればすぐに手に入れることができるようになった結果として、自分の行為に対する反応などが即座に返ってくることを期待する人が増えたと述べました。他人とコミュニケーションを取ることを通じて関係を深めることには時間がかかることも多いですが、自己評価(self-esteem)が低い人は上のような変化の影響で周りの人とさらに疎遠になってしまう可能性があると思われます。

インターネットでブログなどを読んでいると、自分と一緒の職場などにいる若い人が「自分の世界」に閉じこもっていて周りの人とのつながりを作っていこうとしないことを嘆いている記事を目にすることが多くなりましたが、教室で社会人になったOBOGと一緒にご飯を食べている時などに、彼ら/彼女らからも「オフィスにいる人のほとんどが仕事に関係のある話しかしないため、そこでの人間関係が広がっていかない」という話を聞くことが増えた印象があります。中には、自分と目と鼻の先に座っているのに、直接話しかけてくるのではなく、何事もメールやチャットで連絡してくる人もいるそうです。

僕は、この20年間、18、19歳という年齢層の人の様子を見続けていますし、彼ら/彼女らから何を考えているのか、心理的にどのような問題を抱えているのかといったことについて話を聞きながら毎日を過ごしています。そのような体験の蓄積から若い人の間で周りの人とのコミュニケーションを積極的に取ろうとするかについての大きな格差が生じるようになったプロセスについて考察してみた結果が前回までの記事で述べてきたことです。現代の日本社会では、若い人を学力に過度に重きを置いた形で評価するようになった上に、彼ら/彼女らに早くから競争に参加するように促すことにより、自己評価が低い人が多く生み出されました。また、望ましいコミュニケーションのあり方に関する変化やインターネットやスマートフォンに代表される情報技術の発展を受けて、他人との関係を深めることに難しさを感じたり、そのような試みから逃避したりする人が増えたというのが僕の考えです。

しかし、以前の記事でも述べた通り、日本社会の先行きは不透明なものとなっており、少なくない数の人にとって「スタンドアローン」というマインドセットでは安定した生活を送ることができなくなる状況になる可能性がありますし、セーフティーネットになるはずの社会制度も現状でも不十分と言われる水準を維持できなくなることも考えられます。そのため、他の人々と相互に助け合うことのできるコミュニティーを形成する必要性はこれまで以上に高いものになっていると僕らは考えており、ここで学んだ人にそのような機会を確保してもらう、もしくは周りの人とコミュニケーションを取るためのスキルを身に付けてもらうことを教室運営上の重要な目的の一つとしています。

そのため、教室に教師と生徒が一緒に過ごす共有スペースを作り、時には僕らが橋渡し役になって、生徒間の交流を活性化させるだけでなく、大学受験終了後もOBOGが集まる機会を設けて、教室に通った時期に関係なく人間関係を広げていくきっかけを提供できるようにしています。この教室で出会った人たちと10年以上も付き合いが続いているといった話をOBOGからよく聞くことを踏まえると、僕らの試みは一定程度の成果を上げているのではないかと感じています。

なお、現在の教室の様子を写真で確認したい人は、SOLのFacebookやInstagramのページを定期的に更新していますので、そちらを見てもらえればと思います。よろしくお願いいたします。

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