現在の教室の状況について(2024年2月26日)―SOL帰国生大学受験セミナーについてvol. 284―

(2024年2月26日 20:00)

こんにちは。SOLの余語です。
2月12日の記事では、個人が容易に情報を発信できるようにインターネットやそこで使われるサービスが発展したことにより、誰でも自分の関心や好みに合うものを見つけられるようになった結果、例えば以前は存在した「国民的スター」のように多くの人が共有できる話題となるものがなくなってしまったという話をしました。これによって、大きな恩恵を受けた人は少なくないはずですが、一方で自己評価(self-esteem)が低い人が周りの人とコミュニケーションを取ろうとする際に差し障りのないと思えるトピックがないためにさらに及び腰になってしまう可能性もあると考えています。

最近、SOLの教室で学んでいる人の姿を見ていると、「以前よりも堪え性がない人が増えたのではないか」という印象を持つことがあります。例えば、TOEFL iBTやIELTSといった英語運用能力試験で高い成績を修めるには正しく使うことのできる単語や表現の数を増やしていくことが必要になりますが、これを長期記憶にとどめる形で行うには長い時間がかかります。このような学習プロセスに自発的に取り組みたいと考える人は以前から限定的ではあったものの、現在は様々な教材を「つまみ食い」した上で結果的に手元に残るものがあまりないという人がよく見られるようになりました。

また、帰国生入試や総合型選抜の日本語小論文試験で出題される問題文の読解力を上げるには、どの部分とどの部分が同じ話をしていて、そこからどのような形で話が展開していくのかを細かく確認していくことが求められますが、少なくとも授業を受け始めた段階では、粘り強く文章に向き合う姿勢が身に付いておらず、「結局この文章は何が言いたいものなのか」ということを直接的な形で我々に質問してくる人も増えたように思います。彼ら/彼女らが何かを学習するのではない場面に置かれた時にどのような行動を取るのかを観察していても、常に時間に追い立てられているように思えるので、「堪え性がない」のは生活全般に及んでいるようです。

若い人がこのような形で生活を送るようになった背景には数多くの要因があるはずですが、その一つにはインターネットという情報空間に検索したいものを入力するとすぐに答えが返ってくるGoogleやWikipediaのようなサービスが多く登場したことが含まれるのは間違いがないところだと思われます。情報技術におけるイノヴェーターとして称賛されることの多いSteve Jobsには「インターネットでは本当に役に立つ知識や教養は見つからない」として自分の子供に情報機器を成人になるまで渡さなかったという話があります。それが事実だとしても、自分が直面している問題に対する答えらしきものが得られるまで時間がかからないのであれば、多くの人がGoogleなどに依存するようになるのは当然のことのように思われます。そして、そのような状態が続いていくと、何事に関しても自分が何かをしたことに対する反応や結果が間を置かずに出ることが望ましいと考えるという悪循環にはまり込むようになります。

この点、周りの人とのコミュニケーションは、最初から相手との相性が合って心地よいものとなる場合もありますが、通常は話を積み重ねることを通じて、例えば今までの生活の中で蓄積してきた体験に共通する点や興味深く感じる点があるか、その人は自分の問題などについて相談した時に快く応じてくれるかといったことを確認していくプロセスがあるはずであり、これには時間がかかります。しかし、上で述べたような変化の中にいる人は関係を深めていくのに一定の期間が必要であることに我慢をすることができず、特に自己評価が低く他人と関わり合いを持つことに及び腰になっている人は大きな影響を受けてしまい、コミュニケーションを取る体験が十分なものにならなくなってしまうのです。

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