新年のご挨拶(5) ―SOL帰国生大学受験セミナーについてvol. 276―

(2024年1月20日 14:30)

こんにちは。SOLの余語です。
前回は、SOLの教室で学んでいる年代の人たちとインターネットの関係性で気になる点として、SNSなどにおいて様々な問題に直面する人々を切り捨てるような主張が目立つようになっていること、彼ら/彼女らの社会に対する知識や体験が十分なものではないことからそのようなものを受け入れてしまう人が増えていることを挙げました。このような思考のあり方は基本的に学問の前提になるものとは相いれないものであるが故に、それを切り替えることができない場合に帰国生入試や総合型選抜の日本語小論文試験などにおいてネガティブな評価を受ける可能性があります。

さて、どのようなものが対象であっても学習する際には望ましい作法があると言われます。この記事を読んでいる人の中には、小学生の頃に学校で「授業を受ける際には予習や復習を行うことが大事だ」と言われたことのある人が少なくないかと思いますが、僕が帰国生入試や総合型選抜の受験準備においてより重要度が高いと考えるのが「復習」です。例えば、日本語小論文試験の対策では、特に法学部や経済学部といった社会科学系の学部・学科で出題されるような問題に取り組む場合、それらの学問に特有な用語(その使い方も含めます)に加えて、現代社会で見られる様々な問題や大きな意味を持つとされる歴史上の出来事に関する知識を蓄積しておくことが重要になります。

このような知識は、実際の試験で問題文として用いられるような抽象的な文章を正しく理解するのに大きな役割を果たします(多くの人は少なくとも抽象的な言葉や表現が多い文章を読むことを始めた段階で具体的な事象をそれに当てはめて内容を把握しています)し、答案を書く際にも採点者に説得力があるものと評価されるために必要な具体例としても使うことができます。その時々に出題されそうなトピックに合ったものをいつでも利用できるような状態にするには、あまり間を開けずに何度も内容を確認する(授業で扱ったものであればこれが復習に当たります)必要があり、そこで学習を効果的なものにするのが授業の内外で教師や周りの生徒が話していたことをノートやメモ帳に書き留めたものです。

帰国生大学受験セミナーの生徒の中には、こちらから働きかけを全くしなくても授業での解説などに関するメモを作成している人がおり、彼ら/彼女らが小論文試験の問題に対応する能力は長くても3ヶ月間で問題のない文章を書くことができる水準まで伸びるのが通常です。一方で、最近目立つようになってきたのが、周りが話していることをただ聞いているだけで手を全く動かそうとしない人ですが、彼ら/彼女らは自己肯定感が低いことが多く、自分に試験に対応する力がない(と主観的に評価している)ことを他の人に悟られたくない、もしくは自分にはちゃんとした形でメモを作成することができないと考えているようです。

また、特に高校から単身で留学した場合には、第二言語である英語で高校の教科を学び、日本の学校では経験したことがないほどに課題をこなさなければならないことによって精神的、時間的な余裕を感じられなくなってしまい、効果的に学習を進めて行くのに必要な手順を踏まなくなってしまうこともあります。

カナダやアメリカ、イギリスといった北半球の国の高校を卒業する人は比較的長い期間帰国生入試や総合型選抜の受験準備に専念できると言っても、日程的に最も早いものまでは3ヶ月くらいの期間しかありません。そのような短い時間で最大限の成果を上げるにはできるだけ効率的に学習を進めるのが望ましいことを踏まえると、授業内外でなされた話をメモに書き留めておくといったような学習上の作法を身に付けるための適切な取り組みとは何かを今年も考えてなければならないと思っています。

それでは、帰国生の大学受験やSOLの帰国生大学受験セミナーなどに関して情報をご希望の方は以下のフォーム、もしくはinfo@schoolofliteracy.comよりご連絡ください。よろしくお願いいたします。

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