明けましておめでとうございます。SOLの余語です。
このブログの記事を読んでくださっている方はどのような形で新しい一年の始まりを迎えたでしょうか。SOLの教室では、昨日、今日と2024年度に実施される帰国生入試や総合型選抜を受験する予定のカナダやシンガポールの高校に在籍している人の指導を行い、来週から「既卒生/2023年5月・6月卒業生コース」と「2024年11月卒業生コース」の生徒の授業を再開します。前者はいよいよ大詰めという時期に入ってきますが、僕らもできる限りのサポートができればと考えています。
さて、このブログでは度々「帰国生入試や総合型選抜では受験生のコミュニケーション能力が試される」という話をしています。他人の話を十分に理解したり、自分の考えを相手に受け入れてもらえる形で伝えたりする能力やそれに積極的に取り組もうとする姿勢は、AIに関連する技術が発展し多くの雇用が失われる(昨年末にSEをしているOBからこの点に関する話を聞きましたが、彼のいる業界にも大きな影響があるだろうとのことでした)と言われる状況においては、安定した社会生活を送るのに必要不可欠なものになるはずです(その理由については、新井紀子氏の『AI vs. 教科者が読めない子どもたち』を参照してください)。
最近、SOLの教室で学んでいる人の様子を見ていて感じるのが、(理由はよく分かりませんが、男性を中心に)日本語運用能力に大きな問題がなく、時間をかけて話をしてみると人と接することに嫌悪感を持っている訳でもないのに、人とコミュニケーションを取ることに消極的であったり、そのような体験を年齢相応な水準で蓄積できていないことが窺えたりする人が年を追うごとに増えているということです。そして、彼ら/彼女らから聞くことが多いのが「自分が話すことは周りの人にとってつまらないことである」という言葉であり、生活における様々な場面での対処の仕方と合わせて考えると、彼ら/彼女らに共通しているのは自己評価が低いことであると思われます。
この点、小児脳科学者で昨年『高学歴親という病』という著書が話題になった成田奈緒子氏によれば、子どもに何らかの行動を取るよう促す際に、周りの大人が学生時代などに自分はどれくらい努力をしていたのか、もしくはどのような実績を上げてきたのかといった点で「武勇伝」を語ることは、「周りの大人は完璧であり、彼ら/彼女らのようには到底なれない」という印象を子どもに与えてしまい、自己肯定感の低下にもつながってしまうようです。
確かに、授業がない時間に僕らと生徒がいつでも話ができる教室の共有スペースにおいて、自己評価の問題からコミュニケーションに消極的な姿勢を見せる人に様々な面から働きかけを行っていくと、中学受験の準備をしている中で順調に物事を進めることができなかったり、海外生活において順調に英語運用能力が伸びなかったりした時に成田氏が述べているような形で𠮟責を受けたという話をする人が少なくありません。そのような観点から今年一年僕がどのような人間でありたいかということを考えてみたという話を次回の記事でしたいと思います。
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新年のご挨拶(1) ―SOL帰国生大学受験セミナーについてvol. 272―
(2024年1月5日 19:00)