こんにちは。SOLの余語です。
現在、SOLの教室では来年2月に実施される難関国立大学の帰国生入試や首都圏の有名私立大学の一般入試の中で帰国生が受験しやすいものに向けた準備を進めている人、オーストラリアやニュージーランドの高校でこれから最終学年に入る人、それぞれを対象としたコースの授業を実施しています。2024年4月の大学入学を目指す人が準備にかけられる期間はあと2ヶ月ほどになりましたが、同じ時期に首都圏では私立中学校の入試が行われるため、それに関する記事を新聞やインターネット上で目にすることが増えました。
首都圏では、東京23区に住む人を中心に2015年から中学受験をする人の数が増え、2023年には52600人になったそうです。2018年のデータによると、東京には小学6年生の4割以上が受験している地域もあるようですが、このような傾向の背景にあるのは、社会でグローバル化が進む中で国際交流プログラムが多くある私立の学校に魅力を感じる保護者がいることもある一方、例えば安田教育研究所の「2018年度中学入試はどう行われた?」という記事では、大学入試改革によって総合型選抜を中心に様々な形の入試が設けられたこと、地方創生戦略の一環として首都圏の私立大学の文系学部の入学者数に関する規制が施行されたことで合格するのが難しくなったところが出て来たことによって、大学付属の中学校の人気が高まったことが主な理由とされています。
そして、このような状況において、受験準備を行っている段階でうつ状態に陥る小学生が増えているようです。11月23日に朝日新聞のEduAというサイトに掲載された記事「『受験うつ』の原因は保護者にある?親が先になるケースも 心療内科医に聞く症状と対処法」の中で医師の吉田たかよし氏は、これを裏付けるデータとして、2002年に約13.9万人だった20歳未満の精神疾患患者が年々増加し2017年に約27.6万になったこと、東京都内のあるクリニックにおいて12~19歳の患者の数が2016年から2018年までの2年間で3倍になったことを挙げており、保護者や本人がうつ症状になっていることに気付いていない(症状としていわゆる「新型うつ」と同じようなものであることが関係しているのでしょう)ために医療機関につながっていない人も相当数いるはずだと述べています。
また、吉田氏は、現代の子どもはスマートフォンなどの登場によって日々膨大な量の情報に晒されていること、コロナ禍で友人などとの直接的な交流が減ったことが脳の発達に悪影響を及ぼしていることが中学受験の準備をしている中でうつ症状を抱える人の増加に拍車をかけたものの、保護者に過度な期待をかけられたり学習のあり方などに関して厳しく叱られたりしたことで強いプレッシャーを感じてしまうことで発症した患者が多いとしています(その他には、受験する前にモチベーションを喪失してしまったり、同級生と自分を比較して現実逃避をしてしまったりすることが直接的な原因になる人もいるようです)。
僕個人としては、吉田氏がこの記事の最後で中学受験時にうつ症状になることが人生の早い段階から精神の状態をケアする術を身に付けることにつながるし、その他の段階での受験に比べるとダメージが少ないと述べているのには同意しかねるのですが(朝日新聞はリベラルな立場を取る新聞だというイメージがありますが、教育の分野に関するものは子ども一人ひとりに対する視線が弱いものになることが多いのが不思議なところです)、多くの子どもが受験時の体験によって精神的な問題に直面するようになっているというのは看過しがたい状況だと考えています。
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現在の教室の状況について(2023年12月11日)―SOL帰国生大学受験セミナーについてvol. 268―
(2023年12月11日 19:30)