こんにちは。SOLの余語です。
前回は、SOLの帰国生大学受験セミナーで、2名の教師が生徒の帰国生入試や総合型選抜に向けた準備のサポートの全てを担当していること、グループ指導の定員を16名に限定していることの理由は、これらの入試で求められているものを習得するのには学習者の精神状態が安定していることが望ましいと僕らが考えていることにあるという話をしました。現在の日本社会では競争万能主義的な考え方が広がっているような印象を受けますが、競争だけが人間を成長させる訳ではないことを我々大人が今一度確認すべきだと思います。
さて、これまでの記事で、最近、中学受験の際に志望順位の高い学校の入試で失敗してしまったり、受験における目標の重要性がよく理解できない中で重たい負担がかかったりしてしまったことで、自尊心が著しく低下してしまう、もしくは何らかの精神疾患的な症状に悩まされている人(実際に、入試が実施されるまで3ヶ月を切ったこの時期になると心療内科に通う小学生が急増するそうです)がこの教室で増えていると述べてきました。また、自分の母語とは大きく異なる言語が主に使用される環境で、成長段階として家族ではない周りの人との関係が重要になってくる時期に日常生活を送ることになったことによって精神的な問題に直面する人も同様の傾向にあります。
ここで、十分な受験準備に対するサポートを成功報酬として競争に参加することを促すのは、受験生に対してさらなる負荷をかけることにつながり、以前から抱えていた問題がより深刻なものになる可能性が生じます。現在の日本社会では大学受験でどのような成果を収めることができたかが将来どのような経済的な生活を送ることができるのかを決めるのに大きな役割を担っていることは否定できませんが、それでも人生の一つの局面に過ぎないことは忘れてはならないでしょうし、そこでその後の人生にも重大な影響を及ぼすような健康状態に関わる問題に18、19歳になった時点から悩まされるようになってしまっては、仮に志望順位の高い大学や学部・学科に合格してもあまり大きな意味はないのではないかと思われます。
また、ここ数年で「リスキリング」(ある業界に勢いがなくなるという状況に備えた、他の業界で求められるものを身に付けるための職業訓練が主に想定されているようです)という言葉をよく目にするようになりましたが、それは少なくとも経済的な面で安定した生活を今後送っていくためには社会人になった後も学びを継続していかなければならないということを意味するのはないかと思います。この点、上で述べたような状況から自尊心が極端に低下することになってしまったり、「学習=大きな精神的負荷がかかること」という認識を持つことになってしまったりすることは、学習にネガティブなイメージを持つことにつながり、大学入学後もそれを続けていくという意欲を失わせてしまう危険性があります。これもこれから社会生活を送っていく上では望ましい状況とは言えないでしょう。
このようなことからも、SOLの帰国生大学受験セミナーで学ぶ生徒には精神的に安定した状態で受験準備を進めてほしいと僕らは考えています。そして、今後も生徒とコミュニケーションを取る機会を十分に確保できるような環境やカリキュラムのあり方を追求できればと思います。
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現在の教室の状況について(2023年12月4日)―SOL帰国生大学受験セミナーについてvol. 267―
(2023年12月4日 18:30)