こんにちは。SOLの余語です。
前回は、この教室で、生徒から相談があった際に、どのような教材にどれくらいのペースで取り組むべきかといった点について僕らが示す方向性が適切なものであると評価されるのには、一般的な予備校や塾では面談の対応や授業、答案の添削などを分業制にしている一方で、SOLでは2名の教師が全てのサポートを行っていることが関係しているという話をしました。このような体制を取ることによって、一人ひとりの生徒の学力に関する状況を総合的に把握することが可能になります。
さて、SOLの帰国生大学受験セミナーでは、教師と生徒がコミュニケーションを取る機会を十分に確保することなどを目的に、6月末から始まるグループ指導の定員を16名としていることは以前にも紹介したかと思います。帰国生入試や総合型選抜の受験準備のサポートをしてくれる予備校や塾を探している人の中には、SOLのように一般的なものに比べて小規模なところでは、十分なサンプル・サイズがないために、一つひとつの大学や学部・学科の入試で合格するのに必要なものを正しく推測することができないのではないかと不安に感じる人もいるでしょう。
しかし、この教室で行われるグループ指導が一度に16名の生徒が参加するという規模のものだとしても、オーストラリアなどの高校に在籍している人が7月上旬に滞在国に戻ることでできた空席を日本の高校に通う人が埋めるというのが通常ですし、日本語小論文試験がない入試を受けるので個別指導だけを受講している人もいます。そのため、例年、帰国生大学受験セミナーの生徒は20名くらいになります。また、2名の教師のうち、帰国生の学習サポートをしている期間が短い僕でも25年間は帰国生入試や総合型選抜の受験準備に関わってきており、首都圏の有名私立大学が実施しているもののほとんどをこれまでの生徒が受験しています。
そして、より重要だと思われるのは、帰国生入試や総合型選抜の合否に関連しているものを考える時に必要なのは、受験した人一人ひとりの学習状況を総合的に把握していることだということです。これらの入試では、TOEFL iBTやIELTSといった英語運用能力試験の成績だけでなく、日本語小論文の出来によって合格者が選ばれるのが一般的です。また、総合型選抜においては日本語小論文試験の代わりに出願手続き時に提出する課題を課すものもありますが、これらの試験や課題に対応する力は数値化することが難しく、どの受験生があるトピックについて適切な論拠を付けながら論理的に問題のない結論に到達することができるか、どのようなトピックに関して考えを深めていくための素養を持っているか、日本語運用能力が自分の考えを正しく他人に伝えられるだけの水準にあるかといったことは、実際に答案を添削した人でなければ判断することができません。
この点、分業制を採用していないSOLの帰国生大学受験セミナーでは、2名の教師が生徒の学習サポートの一環として日本語小論文の(書き直しのものを含めた)答案や大学に提出する書類の添削を行っており、これによって僕らは生徒の学力面での傾向を総合的に理解することができます。
その結果、一つひとつの入試においてTOEFL iBTやIELTSなどの外国語運用能力試験の成績と日本語小論文試験の出来がどのようなバランスで合否判定に関わっているのかを正しく推測することができますし、日本語小論文試験についてある大学ではスムーズに読める文章を書く力が他のものよりも重視されるといったように各入試の細かな特徴も知ることも可能になるため、僕らが生徒に示す学習の進め方に関する提案が適切なものになるのだと考えています
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現在の教室の状況について(2023年10月30日)―SOL帰国生大学受験セミナーについてvol. 261―
(2023年10月30日 18:00)