現在の教室の状況について(2023年6月12日)―SOL帰国生大学受験セミナーについてvol. 248―

(2023年6月12日 19:15)

こんにちは。SOLの余語です。
前回は、現在の帰国生入試やAO入試における小論文試験や面接試験で満足できる結果を出すには問題文の筆者や試験官と「内容的に嚙み合ったコミュニケーション」を取ることができる力が必要であるという話をしました。これがこのブログにおいてSOLの教室で学んでいるような18、19歳の人が周りの人とどのような関係を形成しているのかについての記事を多く掲載している理由の一つです。

さて、ここ数年、人工知能(AI)に関わる技術が大きな進歩を遂げており、それが社会や個人の生活に及ぼす影響が様々なメディアで取り上げられるようになりました。例えば、大学では人間が投げかけた質問に対して答えを文章の形で返してくれるChatGPTの登場で学生にどのような課題を与えるべきなのかが議論になっているようですが(先日、Temple大学の日本キャンパスに通うOBが見せてくれたエッセイの課題の紙にはChatGPTを使ったものは提出を認めないと書かれていました)、政治学や経済学といった社会科学系の学問の研究者の間では、AIやそれが搭載されたロボットを利用するコストが下がることによって社会の中で雇用される人の数が大きく減少する可能性があることが注目を集めています。

失われる雇用には、賃金が低いものであると一般的に認識されている単純労働だけで構成される職業だけでなく、主に数字を扱う専門職である会計士や税理士、もしくは画像診断によって特定の疾患にかかっているかを診断したり、高い技量が必要となる手術を行ったりする医師のような社会的な評価が高く、その資格を得たいと考えている人が多くいるものまで含まれていることがこの問題に人々をより強く引き付けているようです。ただし、これについて書かれた論考のほとんど全てに共通するのが、人間の持つ他者とのコミュニケーション能力が職務の遂行に必要不可欠とされているような職業はAIが十分に対応することは難しく、そこで働いている人にはあまりネガティブな影響がないということです(どのようなものがそれに当たるかはリンク先の記事などを参照してください)。

このような話を受けて、例えば、会計士や税理士の資格を持っている人の中には監査などを任されている企業の経営コンサルタントを行うといった形で業務を展開している人もいるようですが、ChatGPTのような先進的なAIとされているものでも、与えられた「教師データ」を統計的に処理し、その結果に基づいて新たな課題に取り組むという本質が変わらない(ChatGPTが与えられた質問に対して模範的な答えしか返すことができないのには、「教師データ」の中にある単語がどのようなものと一緒に使われることが多いかを得点化しているためです)以上、「教師データ」には存在しない(もしくは、確率論上無視しても問題が起こらないとされる)ようなメッセージを投げかけられたり、発せられた言葉以外のところから相手の真意を探らなければならなかったりする場面が多く見られたりするような状況では、その能力を発揮するのが難しいと思われます。

このようなことを考えても、これから社会に出る人が少なくとも経済的に安定した生活を送るためには、周りの人とコミュニケーションを取る体験を蓄積し、その能力を伸ばしていくことが重要であると言えるのではないかと考えています。

なお、現在の教室の様子を写真で確認したい人は、SOLのFacebookやInstagramのページを定期的に更新していますので、そちらを見てもらえればと思います。よろしくお願いいたします。

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