現在の教室の状況について(2023年5月8日)―SOL帰国生大学受験セミナーについてvol. 244―

(2023年5月8日 19:45)

こんにちは。SOLの余語です。
4月24日の記事では、SOLの教室で学んでいる人の様子を見ていると、(少なくとも教室に通い始めた段階では)女子の方が男子よりもコミュニケーションに積極的であると思われるという話をしました。同じような印象を持つ状況に接することは個人的によくありますし、他の人が男性と女性の間のコミュニケーション力の差に言及するのをメディア上などで頻繁に耳にしますので、これはこの社会で一定の広がりを持つ現象と言っていいのかもしれません。

上で述べたような男性と女性の間の違いには、何らかの生物学的な要因が関係しているのかもしれませんが、人間の性格などのあり方は生まれつきの条件よりは育ってきた環境によって大きく左右されるものだという話があります。コミュニケーションに対する姿勢に影響を及ぼす環境的な要因としてはいくつか関係がありそうなものが思いつきますが、僕が最近気になっているのが現代日本社会でも根強く残っていると言われる「男性稼ぎ手役割意識」です。これが家庭の内外で大人がどのように子どもに接するかということについて男子と女子の間で重要な意味を持つ差異をもたらし、それが上で述べたような状況につながることがあるのではないかと考えています。

一般的に、「男性稼ぎ手役割意識」とは、家庭内において「男性(夫)が外で働き、女性(妻)は家事を主に担うべきである」という性別役割分業を維持すべきという考え方であると説明され、欧米では男女の機会平等や少子化問題の緩和を目指す社会制度の改革などによって徐々に解消されてきた(国や地域によってその度合いには違いがあるという指摘もありますが)一方で、東アジア地域では未だに人々の意識が強く囚われているとされるものです。

例えば、現在、日本社会では所得税の扶養控除が女性の社会進出を妨げているという話をよく耳にしますが、これは社会に残る「男性稼ぎ手役割意識」の表れの一つと評価されるのが通常です。また、桜美林大学の裵智恵准教授によれば、政府が男性の育児参加に関わるプロジェクトを実施したにもかかわらず男性が育児を行った時間は1996年から2016年の20年間で共働き世帯で3分から16分、男性が働いていて女性が専業主婦の世帯で8分から21分と13分しか増えなかったのに対し、女性は前者が19分から56分、後者が90分から144分となったというデータがあるそうです。

このような形で日本社会に根強く残る「男性稼ぎ手役割意識」は、インターネット上で見ることができる韓国ドラマなどでも確認できる通り、家庭内のリソースが男子の教育に優先して投入されるだけでなく、保護者の注意や関心も彼らに向かいやすい状況を生むことになります(実際に、日本でも大学進学率などに関して男女の間の格差が存在するという研究結果があります)。これがどのようにこの記事の始めで述べたようなコミュケーションに対する積極性の差につながる可能性があるのかについては次回以降の記事で説明したいと思います。

なお、現在の教室の様子を写真で確認したい人は、SOLのFacebookやInstagramのページを定期的に更新していますので、そちらを見てもらえればと思います。よろしくお願いいたします。

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