社会的な活動への参加について (1) ―帰国生大学入試についてvol. 363―

(2023年5月5日 19:00)

こんにちは。SOLの余語です。
前回まで、主に首都圏の有名私立大学で実施される帰国生入試やAO入試、そして帰国生が受験しやすい一般入試の概要を紹介してきました。今年度に実施されるものの要項は4月下旬から徐々に公開されていくことになりますが、受験を予定している人にはここまでの記事を参考に自分がその準備として何をすべきかを考えてもらえればと思います(4月3日に掲載した記事で述べましたが、SOLでは海外の高校で学んでいる人が卒業までにすべきことをリストにしたものをメールなどでお送りしています。ご希望の方はこの記事の最後にあるフォームなどからご連絡ください)。

さて、帰国生入試やAO入試の中には、出願手続き時にこれまでに行った活動についての報告を求めるものがあります。例えば、早稲田大学政治経済学部のグローバル(海外就学経験者)入試では高校入学以降にした活動がどのようなものだったか、そこで学んだことは何かといった点を説明する「活動記録報告書」を作成しなければなりません(今年度から日本で行ったものでも認められるようになりました)し、慶應義塾大学の総合政策学部や環境情報学部のAO入試でもオンラインで同じような文章やその内容が事実であることを証明する資料を登録することが求められている上に、志望理由などを説明する「自由記述」という書類の中に自分が参加した社会的な活動などの説明を入れるという人が少なくないと思います。

これらの書類が合否の判定にどのような形で影響を及ぼすかは入試によって違いがあり、面接試験の資料の一つに過ぎないという場合もあれば、第一次審査に通過できるかを左右するものである上に面接試験でも大きな役割を果たすという場合もあります。いずれにせよ、このような入試(数としてはかなり限定的です)を受験する際には、CASに参加することが義務付けられているIB Diplomaコースで学んでいる人以外は、これらの入試で上で述べたような書類の提出などが求められている目的を踏まえた形で、出願手続きまでにどのような活動を行うかを自分なりに考えておく必要があります。

一方で、高校に在籍している期間などに行った活動についての書類に関する言及が入試要項にないほとんどの帰国生入試やAO入試を受ける予定であれば、高校での学習やTOEFL iBT、IELTSといった英語運用能力試験の対策だけに専念すればいいということになりそうですが、特に法学や経済学、政治学といった社会科学系の学問を扱う学部・学科を受験するのであれば、何らかの社会的な活動に参加する時間を確保するのが望ましいと僕は考えており(高校のカリキュラムで参加しなければならないとされているものに社会的な価値が見いだせないケースではその重要性が高まります)、SOLの帰国生大学受験セミナーの授業を受ける予定の人にも受験準備の一環として自分が所属するコミュニティーで何らかの活動が行われていないかを確認するように言っています。僕がこのようなアドバイスをする理由は主に2つありますが、それについては次回以降の記事で説明しようと思います。

それでは、日本の大学の帰国生入試やAO入試の受験に関してご質問などがありましたら、以下のフォームからご連絡いただくか、info@schoolofliteracy.comにメールをお送りいただければと思います。よろしくお願いいたします。

【教育相談フォーム】
https://www.schoolofliteracy.com/consultation/form.html

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