こんにちは。SOLの余語です。
この教室で実施している帰国生大学受験セミナーでは、生徒一人ひとりにとってどのような形で学習を進めて行くのが最も効果的なものになるかを考えるために、彼ら/彼女らがこれまでにどのような環境に置かれてきたのか、そこでどのような教育を受けて来たのか、それに対してどのような思いを抱いていたのかといったことを訊くようにしています。それを十分に行うことができるような時間的な余裕を確保することが、6月下旬から実施するグループ指導の定員を16名にしたり、職員室のような教師と生徒のコミュニケーションを妨げるものをできるだけ設けないようにしたりしている目的の一つです。
2010年に自分たちで教室を運営するようになってから、英語圏の国や地域の高校に留学した人が全ての生徒に占める割合が飛躍的に上がりました(今は80%くらいです)。それに合わせて、彼ら/彼女らからはそのような決断をするに至った事情や周りの大人がその決断に対して見せた反応などについて聞くことも多くなりましたが、そこで驚いてしまうのが、留学先の教育機関やホストファミリーなどの間を仲介してくれる留学エージェントから、英語とは言語学的に大きな違いがあるとされる日本語を母語とする人が留学生活においてどのような問題に直面する可能性があり、それによってどのような負担が生じるのかということに関して事前に十分な説明を受けていない人が少なくないことです(留学エージェントのオフィスを訪ねて「留学希望である」と伝えたら、すぐにパンフレットを見せられ、まるで海外旅行をするような雰囲気で話がトントン拍子に進んでいくという事例があるということも耳にしています)。
社会の中で個人やその集団が直面する様々な問題に対する自分なりの考えを(問題文として与えられるものの助けを借りながらではありますが)表現することを求められる小論文試験に向けた準備のサポートを行っている僕らから見て、抽象的な思考に必要な語彙や知識を習得し、活動の場も少しずつ広がって来ている状態で迎える3年間の高校生活は、多くの場合、様々なものを考える能力を大きく伸ばすことができる貴重なものです。そこに(日本の高校で学ぶ人に求められるものよりも高い水準での)第二言語習得のプロセスから生じる負荷を加えることは、それぞれの成長が他のものによって抑制される可能性があるなど、必ずしも有意義な結果をもたらす訳ではありません(実際に、留学生活が終わった後に「留学するのを止めておけばよかった」と言う人は多くいます)。
そのようなことを考えれば、留学エージェントは単身留学によって期待できる成果と生じ得る問題に対してできるだけ丁寧に、かつ希望者一人ひとりの状況に合わせた形で説明を行うべきですが、実際にそうなっていないケースは多く見られるようですし、第二言語習得に関する科学的な知見に対する理解を深めるための取り組みを行っていたり、これまで自分がサポートしてきた人がどのような状況になったのかについての考察を十分にしていたりといった専門職として当然のことができていないのではないかという疑いを抱かせるようなケースもあるようです。これから単身留学をしようかと考えている人には、そのサポートをする人の選択に関して慎重な姿勢を持ってもらえればと思います。
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現在の教室の状況について(2023年3月20日)―SOL帰国生大学受験セミナーについてvol. 236―
(2023年3月20日 19:45)