現在の教室の状況について(2023年3月13日)―SOL帰国生大学受験セミナーについてvol. 235―

(2023年3月13日 18:30)

こんにちは。SOLの余語です。
1月23日の記事では、カナダやアメリカ、オーストラリア、ニュージーランドといった英語圏の国や地域に単身留学をする人が海外に渡航する14、15歳といった時期が「自己のあり方」を安定したものにするプロセスの中にあり、身近にいる人などとコミュニケーションを取ることによって、「自分が社会の構成員の一人として受け入れられないのではないか」というような思いを克服できることが多いと述べました。他の人がどのような価値観を持って生活を送っているかといった点を理解することは、自分に対する評価を一定の水準で維持することにつながります。

上のような状況において、「身近にいる人」の中に親や兄弟といった家族が含まれることもあると思われますが、言語学習に関する研究などでは、一般的に14、15歳くらいの人の人間関係の中心は学校の教師や友人といった家庭の外で出会う人々に移ると言われます。SOLの教室でも、保護者と面談をする際に両親には話していないが我々とは共有している情報が自分の子供に多くあることに驚かれるという光景をよく目にしますが、それはこのような成長に伴って生じる中核となる人間関係の変化の表れとして捉えることができるかと思いますし、若い頃を振り返ってみれば「自己のあり方」を確固たるものにするためのコミュニケーションを主に学校生活で出会う人々との間で取ったという大人は少なくないはずです。

この点、高校から単身留学をした人は、少なくとも2年くらいの間、自分の考えや価値観を高校の同級生や教師、ホストファミリーの人々などに伝えようとしても、英語運用能力が十分に伸びていないため難しいと感じることが多いようです。また、母語である日本語でそれを行う際に見られるようなきめ細やかさを伴った形で様々なことを表現することはできないというのがこれまでの生徒の話を聞く限り通常のことだと思われます。そのため、自分がどのような社会的に評価される能力や特性などを有しているか、自分の考えるよい生き方が社会の中で許容されるものなのかといった点を確認することが難しさを感じるようになり、自分に対する評価が低下してしまうことにつながってしまうことが考えられます。

海外で在籍している高校や日常生活を送る地域コミュニティーに日本語を母語とする人がいる場合には、このような事態に至る可能性は低いものになるように思われますが、それは他の人が年齢相応な形で精神的な成長を遂げているということが前提条件になりますし(周りにいる同年代の人がこの条件を満たしていなかったために、実際の年齢から見ると「幼い」という印象を持ってしまう内容のコミュニケーションに終始していたという事例をこれまでに見たことがあります)、「せっかく海外に留学したのに、日本語で会話することに時間を費やすのには罪悪感がある」といった気持ちから日本語母語話者とのコミュニケーションに及び腰になってしまう人も少なくありません。このようなことから、「自己のあり方」を確立するために必要なものを周りから得ることができなくなり、自分に対する評価も厳しくなってしまうというケースが実際に見られるようになるのです。

さて、東京23区やその近郊では、新型コロナウィルスの感染拡大の第8波が落ち着いてきており、今日からマスク着用に関しても個人の判断に委ねられるようです。それでも新規感染者が全くいなくなった訳ではありませんし、後遺症に苦しむ人は全ての感染者の2割を占めるという情報もありますので、教室に通っている生徒に注意喚起を続けていきたいと考えています。

それでは、帰国生の大学受験やSOLの帰国生大学受験セミナーなどに関して情報をご希望の方は以下のフォーム、もしくはinfo@schoolofliteracy.comよりご連絡ください。よろしくお願いいたします。

【お問い合わせフォーム】
https://www.schoolofliteracy.com/contact/

トップへ戻る