こんにちは。SOLからのお知らせです。
前回は、「既卒生/2023年5月・6月卒業生コース」の1学期以前(2023年1月4日~6月23日)の個別指導を受けている人の中には、前年にオーストラリアやニュージーランドの高校を卒業した人がいると述べました。彼ら/彼女らがこのような方向性で帰国生入試やAO入試の受験に臨むのは、日本の大学が帰国生と言えば北半球の高校を卒業している人と想定していることが多いため、授業の日程などが大きく異なる南半球の高校に通う人が入試において満足できる結果を残すことが難しくなるからです。
さて、このコースに「既卒生」として参加する人の中には、海外の大学やコミュニティー・カレッジに進学したもののそこで学習上の問題に直面した人がおり、例えば2021年度にはアメリカのコミュニティー・カレッジやニュージーランドの大学を中退した人が2名授業を受けていました。日本でも「高大接続問題」という形で、高校から大学に進学した人が授業の中で扱われているものの水準が急激に上がり理解が追いついていかないことで学習意欲を維持することが難しいと感じる人が少なくないと以前から言われています。第二言語である英語が主な使用言語となっている学習環境においては、学問的な概念やそれに関して行われる議論の内容を理解するだけでなくそれに対応する形で言語運用能力を伸ばさなければならないことを考えると、同様の問題がより厳しさを増した形で学習者の行く手を阻むことは当然のことであると思われます。
この点、日本では海外からの移民が多く居住している中部地方の大学などにおいて、彼ら/彼女らの子どもが第二言語である日本語をどのように習得するのかについての研究が行われています。そこで有力な学説として扱われているものでは、言語運用能力に関して少なくとも2つのタイプがあると言われており、その1つである具体的な手がかりに基づく形で日常会話に対応する能力はある人が自分にとっての第二言語を多くの人が使う環境で生活することによって2年程度で身に付くとされています。一方で、抽象的な情報を多く扱う教育機関での学習に自分と同じ年齢の人と同じような水準に付いていくための能力を習得するには平均で5年から8年かかると言われています。このような研究結果を踏まえると、特に海外での滞在期間が長いとは言えない高校から単身で留学した人が現地の大学に進学した際に大きな問題に直面する可能性は高いと言えるでしょう。
海外の大学で学びたいという希望がある場合には、まずは日本の大学である程度専門的な学びをすることによって言語面でのハンディキャップを縮小するのがよいのでないかと僕らは考えていますが、実際にそのようなケースで日本の大学で受験できる入試を十分に確保できるのかという点に不安を感じる人がいるはずです。しかし、通っていた高校がある地域に関わらず、そこを卒業した翌年であれば受験できる帰国生入試は多くありますし(首都圏の有名私立大学で出願資格がないのは青山学院大学と立教大学くらいです)、その条件が満たせないとしてもTOEFL iBTやIELTSのスコアを活かすことができるAO入試には出願資格を得ることができるものが多いことを考えると、どのような学問を学びたいとしても一定数の受験校は揃えられます。海外の大学やコミュニティー・カレッジに在籍していてこの先の見通しが立たないと感じている人には、この記事の最後にあるフォームなどから連絡してもらえればと思います。
なお、「既卒生/2023年5月・6月卒業生コース」の日程や授業料などについては以下のページも参照してください。
https://www.schoolofliteracy.com/seminar/course1/index.html#c01
それでは、帰国生大学受験セミナーの授業の日程や内容、授業料についてご質問などがある方は以下のフォームよりご連絡いただくか、info@schoolofliteracy.comまでメールにてお知らせいただければと思います。よろしくお願いいたします。
【お問い合わせフォーム】
https://www.schoolofliteracy.com/contact/
「既卒生/2023年5月・6月卒業生コース」の概要について (5)―SOLからのお知らせvol.288―
(2023年2月15日 19:15)