こんにちは。SOLの余語です。
前回は、中央大学の文学部や国際経営学部が実施している自己推薦入試の概要をお知らせしました。前者を「外国語型」で出願する場合には筆記試験や面接試験で外国語運用能力を様々な側面から測られますし、後者ではA4用紙2枚くらいの長さで志望理由を説明する英語エッセイの提出が求められます。それぞれに合った対策にしっかりと時間をかけた方がいいと思います。
さて、首都圏の有名私立大学の中でも、法政大学は最も早い段階で現在の社会状況などに合わせた形で大きな改革を行ったところです。この大学のパンフレットを見ると、「実践的なプログラム」や「グローバル人材」といった流行りの言葉が溢れており、価値中立的な研究機関としての役割を果たしているかという点に疑問を抱いてしまいますが、学部・学科に関するページで見られる説明は落ち着いたものになっていますし、どこの学部・学科に所属していても幅広い分野の授業を履修できるのもよいと思います。文系の学部では文学部と経営学部が帰国生入試を行っていますが、どちらのカリキュラムも伝統ある大学で見られるような様々なアプローチから学びを深められるものになっているようです。
この入試では、合否の判定に2つの段階があり、その一つが出願手続き時に提出した書類の内容とTOEFL iBTのスコアを基に行われる書類審査です。これまで経営学部ではこの段階で不合格者が出ていたので、僕らもTOEFL iBTのスコアを80以上まで伸ばしておくべきと受験する人に案内しており、それは今も変わりがありません。一方、文学部はこの段階で不合格者を出さないという方針を今年度から変更したようで、SOLの生徒でもTOEFL iBTのスコアが80以下の人が不合格になりました。来年度に受験を考えている人はこの点に注意すべきでしょう。
第2段階である小論文試験では、例年、文学部において参考にできる文章が付かない形の問題が出されており、与えられたトピックについてこれまでの体験を踏まえながら一から自分で文章を作成することが求められます。学習院大学の文学部などと同じ出題形式になりますが、これらの大学を受験しない場合にはこの特徴に合わせた対策を行うことが必要になります。経営学部は問題文が付いているかどうかについて年度によって異なりますが、どの問題でも求められているのが日本社会や国際社会の経済問題に関する知識であり、桐原書店の「小論文頻出テーマジャンル別キーワード91」で関連する箇所を確認した後に、経済学者の書いた新書を読んでいくのがよいと思います。
この入試の出願手続き期間は7月中旬になります(今年度は2022年7月12日~7月22日でした)。TOEFL iBTのスコアレポートの直送手続きを取らなければならないことや、志望理由書の字数が多いのでその作成に時間がかかることに注意しましょう。
それでは、日本の大学の帰国生入試やAO入試の受験に関してご質問などがありましたら、以下のフォームからご連絡いただくか、info@schoolofliteracy.comにメールをお送りいただければと思います。よろしくお願いいたします。
【教育相談フォーム】
https://www.schoolofliteracy.com/consultation/form.html
法政大学文学部や経営学部の帰国生入試について ―帰国生大学入試についてvol. 353―
(2023年1月20日 19:15)