こんにちは。SOLからのお知らせです。
8月17日の記事では、SOLで学年に関係なく休日を除いた全ての日に実施している個別指導について、我々が今後積極的に行いたいと考えているものの一つに、海外の教育機関に在籍している間の日本語運用能力の維持・伸長に関するサポートがあると述べました。このブログを読んでいる人のほとんどは母語が日本語だと思われますが、人間にとって母語は外国語の学習を含めた全ての「学び」の基盤になります。それを踏まえると、IB DiplomaコースでJapaneseを取っている人以外は夏期の長期休暇の際などに日本語を年齢相応に使いこなせるようになるための取り組みをすべきだと思います。
日本語運用能力の維持・伸長のための個別指導では、受講者の状況にもよりますが、基本的に社会や個人が直面する問題の中で、彼ら/彼女らの年齢であればふれておくことが望ましいものをトピックにした文章を読み、その内容を正しく把握するための問題を解いてもらう形式の教材を使います。そして、授業では、文章の内容や問題に関する解説を行った後に、受講者からの質問に対応したり、文章で扱われたものにつながりのある他のトピックの話をしたりすることによって、日本語で様々な概念や単語にふれてもらうことに合わせて、社会や人間のあり方についての理解を深めてもらいます。
この教室で授業を受けている人の大半は高校生ですが、その3年間は社会の中での活動範囲が徐々に広がっていく時期です。それに加えて、社会で見られる様々な現象や問題に関する情報やその影響などを評価する論説といったものを音声にしたもの、もしくは文章化したものにふれることで、自分の思考力が及ぶ範囲を身の回りから離れたところ、自分が直接体験したことのないものまで広がるように拡大していくのが一般的です。その意味で、社会の中で様々な意思決定に関わる一人前の構成員として活動するための素養を身に付ける重要な時期だと言えると思います。
この点、特に高校から海外に単身留学したばかりの段階にいる人のように、英語圏の国や地域にある教育機関に在籍しているものの、年齢相応なものを理解するだけの水準に英語運用能力が達していない場合には、上で見たような知的な成長に必要なものを十分に吸収できなくなる可能性があります。ここ10年くらいはインターネット上で多様な情報メディアが展開するようになったので、母語である日本語でニュースなどにふれることもできるようになったから心配ないと考える人もいるかもしれませんが、もともとそのようなものに関心がある人ばかりではないでしょうし、これらのメディアの特性からすると、自分があるトピックについて持っている意見の問題点を指摘するようなものは視野に入ってこない(少なくとも、遮断することはできてしまう)という問題があります。
このようなことを踏まえても、例えば高校が夏期の長期休暇に入る期間などに日本語で書かれた年齢相応な内容の文章にふれる機会を確保することは重要です。また、日本語運用能力維持・伸長のための個別指導はオンラインで行うことも可能ですので、日本時間の9時半~19時半までの間に授業を行うことができれば、海外に滞在している人にも日常的な受講を検討してもらえると思います。
なお、今回紹介した、2023年9月以降に日本の大学への入学を目指している人を対象とした個別指導の詳細は以下のリンク先で確認してください。
https://www.schoolofliteracy.com/seminar/course4/index.html#c01
それでは、帰国生大学受験セミナーの授業の日程や内容、授業料についてご質問などがある方は以下のフォームよりご連絡いただくか、info@schoolofliteracy.comまでメールにてお知らせいただければと思います。よろしくお願いいたします。
【お問い合わせフォーム】
https://www.schoolofliteracy.com/contact/
2023年9月以降に大学入学を目指す人を対象にした夏期の授業について(5) ―SOLからのお知らせvol.270―
(2022年9月14日 19:00)