こんにちは。SOLの余語です。
「帰国生大学入試について」のvol. 311からvol. 323の各記事では、北半球の国や地域に滞在している人が高校を卒業するまでの間に帰国生入試やAO入試の受験に向けてしておくべきことを、TOEFL iBTやIELTSといった英語運用能力試験の対策を中心にお知らせしました。帰国生入試やAO入試ではこれらの試験の成績によって合格が期待できるものが変わってきますし、スコアを伸ばすのに時間がかかる場合もありますので、遅くとも最終学年に入る段階の前後に問題演習などを始めるべきです。
さて、今年も6月中旬になり、北半球の高校で在籍している人の中には卒業式を終えた人も少なくないと思いますし、最も遅い時期まで授業があるカナダの高校で学んでいる場合でも全ての授業が終了していることでしょう。そこで、今回から帰国生入試やAO入試を受験するに当たってどのような書類を持って帰らなければならないのか、それを高校などで作成してもらう際に注意すべき点にはどのようなものがあるかといったことを確認したいと思います。
帰国生入試やAO入試の要項を見ると、出願手続き時に提出しなければならない書類に関する説明に多くのページが割かれており、これらの入試が大学や学部・学科によって異なるものを用意しなければならない複雑なものだという印象を持つ人もいるでしょう。しかし、ほとんどの入試で高校に作成してもらわなければならないとされているのは以下に挙げる3つの書類です。
〇卒業証明書(certificate of graduation)
卒業証明書(Diploma)でも問題はありませんが、後で述べる通り、日本の大学は原本、もしくは原本を大学や大使館などの公的機関でコピーしたものの提出を求めますので、高校に卒業したことを証明する書類を複数用意してもらった方が手間がかからずよいと思います。南半球の国の高校に通う人のように、卒業見込みで受験する人は、いつ卒業予定なのかを記載した書類を作成してもらいましょう。
〇在籍証明書(certificate of attendance)
帰国生入試では出願資格を認めるための条件として「海外の教育機関における在籍期間」を設定していますが、それを満たしていることを証明するものです。海外に滞在している間に転校し一つの中学校・高校に在籍した期間では上の条件に合わない場合には前にいたところでもこの書類を作成してもらう必要があります。また、在籍期間は年・月だけでなく日にちも含めた形で記載されていないと正式なものとして認められないケースが多いことにも注意しましょう。
〇成績証明書(transcript)
帰国生入試やAO入試では高校3年分の成績証明書の提出を求められますので、複数の高校に在籍した人は全ての学校からこの書類をもらう必要があります。卒業見込みで受験する場合には、出願手続きが始まる時点で最新のものを用意できれば出願資格が認められます。
それでは、次回の記事では、上で説明したもの以外に、これらの書類を作成してもらう際に注意すべき点をお知らせします。日本の大学の帰国生入試やAO入試の受験に関してご質問などがありましたら、以下のフォームからご連絡いただくか、info@schoolofliteracy.comにメールをお送りいただければと思います。よろしくお願いいたします。
【教育相談フォーム】
https://www.schoolofliteracy.com/consultation/form.html
日本に帰国する前に揃えておくべき書類などについて(1) ―帰国生大学入試についてvol. 324―
(2022年6月17日 18:00)