こんにちは。SOLの余語です。
前回は、帰国生入試やAO入試の出願手続きで提出が求められる志望理由書の内容について、大学で学んだことを使って社会に貢献するというように、一般的に大学の教員が好むと思われるものがあると述べました。このようなことも、生徒が志望理由書を作成したり面接試験に向けた準備をしたりする際のサポートを長年行っているから把握できるものの1つです。
SOLの帰国生大学受験セミナーでは、日本の大学の英語を主な使用言語とする9月入学プログラムの出願のサポートを、入学したいと考える理由などを述べるエッセイの作成を中心に行っています。他の記事でも述べている通り、このプログラムは全般的に学生の能力を伸ばすには十分なものを揃えていないものが多いという認識を我々が持っている一方で、生徒がじっくりと検討した結果、学習環境として最適なものと判断したものが最もよいと考えていますので、9月入学プログラムを志望する人も受けて入れており、彼ら/彼女らのサポートを行う際には、基本的に、日本語を使ってその内容について話し合った(この段階では、読むべき本をいくつか推薦することもあります)後に、その内容が十分に深まったものになったところで、実際にエッセイを書いてもらい、それを教師が添削するという流れを取っています。
英語圏の大学に出願する際にも、大学で何を学びたいのかについて述べるpersonal statementの提出を求められるようですが、通常、高校生活の中でどのような活動をしてきたのか、どのような授業を受けたりプログラムに参加したりしてきたのかについて箇条書きにするような文章に続いて、簡潔に大学生活に期待することを述べるという形が模範的なものの一つとされているようです。しかし、日本の大学は9月入学プログラムの入試要項の中で、エッセイのテーマを「大学で何を学びたいのか、それをこの大学のどのような特徴を利用して進めていくか」という形で明確に指定することが多いですし、合否の判断を担当する人の中には日本人の教員も入っているので、帰国生入試やAO入試と同じ方向性で内容を考えた方がいいと思います。
このプログラムの入試は多くの場合、書類審査となりますが、高校や大学入学資格取得のための統一試験、英語運用能力試験の成績が合格に必要だと推測される水準を超えていても不合格になるケースが見られるため、エッセイの出来も重要だと考えられます。そして、実際にその添削などを行っていると、大学や学部・学科によって重視するものがあることが確認できることがあります。例えば、上智大学の国際教養学部(FLA)では、エッセイの中で高校生活において自主的に社会的な活動などに参加してきたことをアピールできない人はその他の書類の内容が他の人に比べてかなり優れたものでないと入学が認められないという傾向があります。ここ2年は新型コロナウィルスの感染拡大が世界的な問題となり、強い行動制限が人々に課された国や地域もあったため、このような条件が満たされなくてもよかったかもしれませんが(海外にはオンラインでボランティア活動に参加している人もいるようです)、社会が元の状態に戻ればこれまで通りの形で合格者の選定を行うでしょう。この点を受験を考えている人に注意してもらえればと思います。
さて、東京23区やその近郊では、新型コロナウィルスに感染した人がゴールデンウィークの直後に増加する傾向が見られたのですが、ここ数日はそれも収まったように思えます。現在、教室には午前中から4名の生徒が通っているのに加えて、午後に日本の高校に在籍している人などが6名来ています(まだ海外にいてオンラインでの個別指導を受けている人が12名います)。OBOGの出入りも増えましたので、今後も感染対策をしっかりと行っていきたいと考えています。
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現在の教室の状況について(2022年5月16日)―SOL帰国生大学受験セミナーについてvol. 189―
(2022年5月16日 18:15)