こんにちは。SOLの余語です。
前回は、ここ10年くらい受験生の間で人気が高まっている首都圏の有名私立大学の商学部・経営学部を例として取り上げる形で、帰国生入試やAO入試で合格するのにはTOEFL iBTやIELTSといった外国語運用能力試験でどれくらいの成績を収めるべきなのかということを説明しました。そこで紹介した大学や学部・学科でどのようなものが求められるのかを詳しく確認したい人はこの記事の最後にあるフォームなどから連絡してもらえればと思いますが、上の記事で述べた水準に達していない人にとって外国語運用能力試験の対策をすることが今行うべき最も優先度の高いものになります。
外国語運用能力試験の対策をする必要がある人が克服しなければならない問題は様々なものが考えられます。しかし、全ての人が共通して取り組まなければならないのが、語彙や表現に関する知識を蓄積していくことです。SOLでは、TOEFL iBTやIELTS、TOEICといった英語をどの程度使いこなす能力を測る試験に関する授業を行っていますが、これらの試験ではスコアと受験者が理解できる語彙の数に相関関係が見られます。特にアカデミックな内容の問題文が出題されるものでは高いスコアを出すのに必要となる語彙や表現の数は非常に多く、また1日に学んだものの中で長期記憶にとどまるものは限られている(ある学説によれば、7、8個だそうです)ので、長い期間に渡ってコツコツと学習を進めていかなければなりません。
なお、教室で授業を受けている人から英語の語彙や表現に関する知識をどのような教材を使って増やすべきかという質問を受けることがあります。この点については、学習者の特性や好みによっていくつかの方向性が考えられるため、我々が作成した英語圏でよく使われる3000語に関する教材を終えた人には以下のようなものから自分に合ったものを選ぶようにと案内をしています。
〇単語とその意味がリスト化されたタイプ
これがAmazonや書店などで最もよく目にするタイプのものであり、よく使われる単語の意味と例文だけが掲載されているため、効率よく学習を進めたい人にはお勧めです。この教室では旺文社の『TOEFLテスト英単語3800』の評判がよく、単語の教材を自ら出版している塾などでもお勧めされているそうです。
〇文章を読んで、その中にある単語を覚えていくタイプ
学習者の中には、単語や表現が実際に文章の中で使われるのを見ることでよりよく覚えることができるという人がいます。このような取り組みはあるトピックに関連するものをまとめて覚えていくことにもつながるので、僕も意味のある学習法だと思います。このタイプの教材ではZ会の『速読英単語』が代表的なもので、学習者の力に合わせて様々なタイプのものが出版されており、TOEFL iBTやIELTSの対策に使えるものもあります。また、どの分野でも使われるような単語の学習が終わった人はベレ出版の『TOEFL TEST必須英単語5600』を手に取るのもいいかもしれません。
〇語源から単語の意味を考えるタイプ
最近流行しているのがこのタイプで、単語の最初や最後につくもの、そして語幹と呼ばれるそれらを取り除いた部分が何を表しているか、そしてそれらを組み合わせることによってある単語の意味がどのように決まってくるかを解説するものです。あまり専門的なものになってしまうと学習が非効率なものになってしまいますが、このような趣旨で書かれた本を読んでおくと目にしたことがない単語でも意味を推測できるようになるというメリットがあります。僕が先日読んだ径書房の『英語の語源や単語なんて、こうやって覚えればいいんだよ‼』は説明も分かりやすいですし、ボリュームとしてもちょうどいいものかもしれません。
それでは、日本の大学の帰国生入試やAO入試の受験に関してご質問などがありましたら、以下のフォームからご連絡いただくか、info@schoolofliteracy.comにメールをお送りいただければと思います。よろしくお願いいたします。
【教育相談フォーム】
https://www.schoolofliteracy.com/consultation/form.html
今から帰国生入試やAO入試に向けて準備すべきことについて(4) ―帰国生大学入試についてvol. 314―
(2022年3月18日 17:30)