現在の教室の状況について(2022年1月31日)―SOL帰国生大学受験セミナーについてvol. 172―

(2022年1月31日 16:45)

こんにちは。SOLの余語です。
前回の記事では、入試の実施のあり方や日程の組まれ方などから、受験者の学力の数値化しやすい側面(例えば、TOEFL iBTやIELTSのスコア)を基にして合否の判断をしていると推測できる大学や学部・学科があることを述べました。これらの入試の合格に必要なものは統計的な分析で明らかになりやすいので、授業や答案の添削、進路指導などに関して分業制を採る予備校や塾でも把握できるのだと思いますが、問題はその数が少ないことです。

上で述べたものとは別の理由で、生徒の学習面での指導に携わらない人が合否の判定で重視されるものが何かを正しく確認できるものもあります。例えば、青山学院大学文学部英米文学科の自己推薦入試では、高校やTOEFL iBTやIELTSといった英語運用能力試験の成績を基に行われる書類審査が一次審査となり、日本語小論文や英語エッセイを書くことが求められる二次審査の後に最終的な合否が発表されます。このような試験のあり方を見ると、受験生が日本語や英語で文章を書く力をどれだけ習得しているかを把握していないと、合格に必要なものが何かは理解できないように思えます。

しかし、実際には二次審査では、英語エッセイにおいて基本的な単語のスペルミスを繰り返ししてしまうというような基礎的な学力が身に付いているかという点に疑いを持たせてしまうということが起こらなければ不合格になることはありません。また、一次審査を通過するのも一定の水準まで英語運用能力試験の成績を伸ばせているかどうか(その期間の長さなどにもよりますが、海外での就学経験がある場合はTOEFL iBTなら95、IELTSなら7.0が目安となります)によって決まることが多いので、この入試に合格するのに重要なものは統計的な分析で明らかにしやすいということになります。

また、早稲田大学の帰国生入試では、小論文試験や国語試験が文系の学部で共通のものとなっています。それが影響しているのか、小論文試験はどの学問的な分野に偏ることのない比較的理解が容易なものが問題文になることが多いです。また、国語試験は一般入試と同じような4つの選択肢から条件に合うものを選ぶという形式の問題が主に出題されますが、年によっては問題文として出題されるものの難易度が極端な形で変動することがあり、受験生の間で成績に大きな差がつかないことがあります。このような場合には、出願手続き時に提出が求められるTOEFL iBTやIELTSのスコアによって合否が決定することになり、合格に必要なものが統計的に把握することができるという印象を与えることになるのです。

このように、大学が重視するものが何かということが影響して、合否の判断において何が主な材料とされているのかということが受験生の学習を直接的にサポートしていない人にとっても理解しやすい帰国生入試やAO入試は確かに存在します。しかし、そのような入試もそれほど多くないですし、結果がたまたま統計的な分析と合致したに過ぎないという問題もあるのです。

さて、先週の火曜日で「2022年11月卒業生コース」のオンラインでのグループ指導が終了し(これからは2学期の個別指導を実施することになります)、教室ではこの2月に一般入試を受験する人やこれから日本の高校3年生になる人の対面授業を行っています。東京23区やその近郊では相変わらず新型コロナウィルスの感染拡大が続いていますが、教師やその他のスタッフを含めてマスクの着用などを徹底するのに加えて、症状らしきものが出た人にはすぐにPCR検査や抗原検査を受けてもらうようにしています。とりあえず一般入試が終わるまで生徒の感染が防げればと考えています。

それでは、帰国生の大学受験やSOLの帰国生大学受験セミナーなどに関して情報をご希望の方は以下のフォーム、もしくはinfo@schoolofliteracy.comよりご連絡ください。よろしくお願いいたします。

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