こんにちは。SOLの余語です。
前回は、青山学院大学文学部英米文学科が実施している自己推薦入試の概要を紹介しました。この入試は、第1次審査としての書類審査、第2次審査としての小論文試験や面接試験で合否が判断されると入試要項では説明されていますが、学科が指定する英語運用能力試験でどのような成績を取得しているかに重点が置かれています。合格に必要な水準は海外に滞在した年数などによって変動することが考えられるものの、TOEFL iBTで95、IELTSで7.0を超えておけば問題が起こることはないと思われます。
さて、この大学では、地球社会共生学部が、創立されてから数年の間、海外就学経験者入学者選抜で海外の高校を卒業した人を受け入れていましたが、現在では自己推薦入試に統合されています。この学部は、主に発展途上国での社会問題を分析するために必要な学問を様々な形で学べる上に、学習や社会的な活動の参加に対して強い意欲を抱いている人が多くいるという理由からSOLのOBOGからの高い評価が数年前まで高いものでした。しかし、その後、学問的な研究に取り組んでいる教員が全て辞めてしまっただけでなく、体育会系の部活の監督などが内容が不明確な授業を行うようになった頃から学生から不満の声が上がるようになったと聞いています。
この入試において、海外の高校を卒業した人は「自己アピールできる分野」E「海外就学経験者」という条件を満たしている者として扱われることになっており、例えばTOEFL iBTで68、IELTSで5.5というように学部が指定する英語運用能力試験で一定以上の成績を修めることができた場合に出願資格を得ることができます(「自己アピールできる分野」は他に4つあり、日本の高校を卒業した人は例えば「英語資格高得点者」という条件でも受験することが可能です)。ただし、合否を判断する2つの段階のうち、第1次選考となる書類審査で受験者の半分近くが不合格になっていることを考えると、この水準よりも高い成績を取っておくことが望ましいと思われますし、高校の成績なども見られるようです。
ここ数年、SOLの帰国生大学受験セミナーで学ぶ人が11月後半まで授業を受けている場合、国立大学の帰国生入試や慶應義塾大学SFCの2つの学部もしくはICUの一般入試のための準備をしていることがほとんどであるため、地球社会共生学部が第2次選考において小論文試験の出来と英語運用能力の成績にどれくらいのウェイトを置いているかについて推測する具体的な材料はありません。しかし、それより前に受験した人のことを考えると、どちらに関しても一定の水準を上回っていることが重要であるはずですので、この学部で取り上げられそうなトピックに関する知識を蓄積し、読み手に内容がしっかり伝わるような形で文章を書けるようになるための訓練をしておくべきでしょう。
この入試の出願期間は9月初旬から中旬にかけての時期に設定されています(今年度はWeb登録期間が9月1日~9月15日で、郵送物を提出する期間が9月12日~9月15日でした)。英語運用能力試験の成績を証明する書類は基本的に原本で提出することになりますが、TOEFL iBTは大学への直送が認められていることに注意しましょう。
それでは、日本の大学の帰国生入試やAO入試の受験に関してご質問などがありましたら、以下のフォームからご連絡いただくか、info@schoolofliteracy.comにメールをお送りいただければと思います。よろしくお願いいたします。
【教育相談フォーム】
https://www.schoolofliteracy.com/consultation/form.html
青山学院大学地球社会共生学部の自己推薦入試について ―帰国生大学入試についてvol. 348―
(2022年12月2日 19:45)