明治大学の文学部や国際日本学部の自己推薦特別入試について ―帰国生大学入試についてvol. 345―

(2022年11月11日 20:00)

こんにちは。SOLの余語です。
前回は、明治大学の中でいわゆる「看板学部」に位置付けられている政治経済学部が実施しているグローバル入試の概要を紹介しました。この入試は学部が指定する外国語運用能力試験で一定以上の成績を取った人に出願資格を与えるもので、合否の判断は主に日本語での読解論述試験の出来に基づいて行われますので、早稲田大学政治経済学部のグローバル入試と同じような受験準備が必要になります。

明治大学では、これまでに紹介した学部の他に、文学部と国際日本学部が海外の教育機関を卒業した人を自己推薦特別入試で受け入れています(後者には英語を主な使用言語とするプログラムもありますが、今回取り上げる入試は日本語で授業を行うプログラムに入りたい人を対象にしています)。これらの学部のうち、前者は創立された時期が早い大学でよく見られる様々な学問分野を扱う学科や専攻が数多く設置されているという形を採っており、文学や社会学、歴史学、心理学、哲学といった人文科学系のものに関する興味に広く対応できるようになっています。一方、国際日本学部は様々な国や地域の文化についてだけでなく、日本の文化のあり方についてサブカルチャーなどを含めながら学ぶことができるという点に特徴があるものです。

これらの学部の自己推薦特別入試を海外の教育制度を採用する高校を卒業した人が受験する場合、TOEFL iBTやIELTSといった英語運用能力試験の成績を提出することが求められます(国際日本学部では試験ごとに出願資格を得るための基準が設定されており、文学部ではSATやIB Diplomaといった大学入学資格取得のための統一試験の成績を代わりに提出することが可能です)し、学校内外での活動などによる実績を示す必要があります。

どちらの学部のものでも、日本の高校に在籍している人が出願資格を得るには高校3年間の成績(評定平均値)に関して一定の水準を超えなければいけないとされており、それが一般的には高いものであるため、海外の教育機関を卒業した場合には高校や英語運用能力試験、大学入学資格取得のための統一試験の成績がそれと同等のものであると各学部で評価するものであることが望ましいです。また、国際日本学部の入試要項に記載されている「出願資格・条件」の(4)で挙げられているようなものに関して十分なアピールができるものがあった方がいいと思われます。

合否の判定は書類審査と小論文試験・面接試験の2つの段階で行われます。小論文試験においては、文学部が出願している学科が専門領域とする学問に関連した文章が問題文になっており、国際日本学部も日本の伝統文化に関するものなどが取り上げられることが多いようです。与えられた文章の内容を正しく理解したことを前提にした論述問題に取り組むことになりますので、自分の受験する学部・学科に関連したトピックに関する新書などをできるだけ多く読むことが対策の一つになるでしょう。

これらの入試の出願手続き期間は9月後半に設定されています(今年度は、文学部が9月24日~9月29日、国際日本学部が9月20日~9月26日でした)。自己推薦書や評価書のような多くの書類を作成しなければなりませんので、スケジュールをしっかり確認する形で作業を進めるのがいいと思います。

それでは、日本の大学の帰国生入試やAO入試の受験に関してご質問などがありましたら、以下のフォームからご連絡いただくか、info@schoolofliteracy.comにメールをお送りいただければと思います。よろしくお願いいたします。

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