明治大学政治経済学部のグローバル入試について ―帰国生大学入試についてvol. 344―

(2022年11月4日 18:45)

こんにちは。SOLの余語です。
前回は、明治大学法学部の海外就学者特別入試の概要を紹介しました。この入試は、明治大学の4月入学者を対象とした特別入試の中で海外の教育機関に在籍した経験のある人のみに出願資格を与える唯一のものになりますが、IB Diplomaなどを取得していない場合には学部が指定する外国語運用能力試験で一定以上の成績を取る必要があります。また、試験科目の中に他の大学には見られないプレゼンテーションがありますので、その準備を小論文試験に向けた準備などの中で進めた方がいいでしょう。

さて、明治大学では政治経済学部も海外の教育機関に在籍した経験のある人が多く受験する入試を「グローバル入試」という名称で行っています。この学部は早稲田大学における政治経済学部と同じような地位を明治大学の中で占めており、政治学科や経済学科、地域行政学科(この学科があるところが明治大学政治経済学部の特徴の一つであるように思います)という3つの学科のそれぞれに多くの教員が在籍し、一人ひとりの学生が関心を持っている問題について様々な角度から考察を深められる体制が整っているようです。また、1年次から政治学や経済学に限定されない多様な分野を扱うゼミに所属できることや、英語運用能力を高めたり資格を取得したりするためのプログラムが充実していることも在籍している学生や受験生からの評価を高めることにつながっています。

この学部のグローバル入試では、卒業した高校がどのような教育制度を採用しているかに関係なく、学部が指定する外国語運用能力試験で一定の水準を上回る成績を取っている人に出願資格を与えます。ただし、合否を判定する際に外国語運用能力試験の成績をその材料の一つとしないことが入試要項に明記されており、SOLのこれまでの生徒の中にも出願資格が認められるラインを少しだけ上回った人が合格していることを考えると、実際に日本語での読解論述試験や面接試験の出来だけで合格者が選抜されていると思われます(わざわざこのようなことを書くのは、入試要項に同様の説明があるのに、試験会場の様子などから、外国語運用能力試験の成績の高低が合否と直接的な関連性があると推測されるケースがあるからです)。

日本語での読解論述試験では、社会科学系の学問領域で取り上げられることが多いトピックに関する問題文が出題され(早稲田大学政治経済学部のグローバル入試のものと似た形です)、その内容に関する説明問題やトピックに関連性のある図表の分析問題、小論文問題などが出題されます。問題文は正確に読み解くのに政治学や経済学に関係する知識の蓄積が必要になりますし、文章全体の構造を把握する力を伸ばしておくべきといった点で早稲田大学政治経済学部のグローバル入試の対策と重なるところが大きいと考えてよいと思います。

この入試の出願手続き期間は9月の初めに設定されています(今年度は9月1日~9月8日でした)。ここで提出する書類については何も特別なものはありませんが、TOEFL iBTやIELTSといった外国語運用能力試験を受験できる期間や成績を証明する書類の送付に関して決まっているものがありますので、その点を入試要項で確認してください。

それでは、日本の大学の帰国生入試やAO入試の受験に関してご質問などがありましたら、以下のフォームからご連絡いただくか、info@schoolofliteracy.comにメールをお送りいただければと思います。よろしくお願いいたします。

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