明治大学法学部の海外就学者特別入試について ―帰国生大学入試についてvol. 343―

(2022年10月28日 18:30)

こんにちは。SOLの余語です。
前回は、グローバル化が進む経済界でよりよい活動ができる人材を育成することを目的として設置された、英語を主な使用言語とする社会科学系の授業を履修できる学習院大学の国際社会科学部の「総合型選抜(AO)」の概要を紹介しました。この入試では、第2次選考において英語での問題文がある読解論述試験が実施され、合否の判断において大きな役割を果たしています。日本の大学の一般入試の対策教材で「難関レベル」とされているものやIELTSのWritingの課題に取り組むことが必要です。

さて、今回は首都圏の有名私立大学でも受験生からの人気を集めているという評価がここ10年くらいで定着した明治大学の法学部が実施している海外就学者特別入試を取り上げます。この大学では法学部以外に文学部や国際日本学部が海外の教育機関に在籍した経験のある人に出願資格を与える入試を行っていましたが、今は自己推薦入試などに統合され、この学部だけがいわゆる帰国生入試を設置し続けるということになりました。

この学部のカリキュラムを概観すると、「良くも悪くも伝統的な法学部」という印象を持つものの、首都圏の私立大学では早稲田大学や慶應義塾大学だけがTop Tierに入るものであると考えられる状況の中で、そこから下に位置するとされる大学は教育プログラムの改革を進めているようです。この学部には、以前から法学を学ぶために必要な日本語運用能力を習得するための授業があるというような特徴がありましたが、英語運用能力を上げるための授業が追加されたり、1年生の後半から将来の目標に合わせたコース(例えば、「法曹コース」や「ビジネスローコース」、「法と情報コース」といったものです)を選択できるようになったりしているようです。

海外就学者特別入試では、学部が指定するIB Diplomaのような海外の教育制度における大学入学資格を取得した人の他に、TOEFL iBTなどの外国語運用能力試験で一定水準以上の成績を修めた人に出願資格が認められます。後者の資格で出願する場合には、第1次選考を通過したり最終的に合格を判定されたりするために高いスコアが必要であるという印象を持つ人が少なくないかと思いますが、SOLの帰国生大学受験セミナーからはTOEFL iBTにおいて学部が設定する基準を少しだけ上回る人でも合格していますので、このテストでは70台前半辺りのスコアを目指すことにしてもいいのではないかと思われます。

また、第2次選考は小論文試験、プレゼンテーション、面接試験という形で実施されますが、このうち、他の大学の入試であまり見られないものとしてプレゼンテーションが挙げられると思います。これについては、小論文試験に向けた準備の際に、自分の考えを明確にかつ説得力ある形で伝えるための型を習得しておく必要がありますし、広い範囲の社会問題に関する知識を身に付けておくことが望ましいと言えるでしょう(あとの2つの試験については通常の対策を行えばよいと思います)。

この入試の出願手続き期間は8月中旬から下旬にかけてとなっています(今年度は8月18日~8月23日でした)。提出する書類に特別なものはありませんが、TOEFL iBTのスコアレポートの送付方法については大学が指定しているものがあるので入試要項を確認した方がいいと思います。

それでは、日本の大学の帰国生入試やAO入試の受験に関してご質問などがありましたら、以下のフォームからご連絡いただくか、info@schoolofliteracy.comにメールをお送りいただければと思います。よろしくお願いいたします。

【教育相談フォーム】
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