7月5日から7月9日までのグループ指導などについて―SOL帰国生大学受験セミナーについてvol. 163―

(2021年7月5日 16:20)

こんにちは。SOLの余語です。
前回の記事では、僕らが生徒とコミュニケーションを取る時間を確保することによって、帰国生入試やAO入試の小論文試験で出題されるトピックに関しての説明をどの程度抽象的に進めることができるかが確認できるということを述べました。また、個々人が置かれている状況についての理解が深められることは説明に具体性を与えるために重要な役割を果たすものであり、小論文試験に向けた準備を効果的にすることが期待できます。

さて、先日ラジオを聞いていたら、タレントの伊集院光氏と『かいけつゾロリ』(僕はこれが何かを知らなかったのですが、昨年度の生徒に大変人気のある児童文学作品であることを教えてもらいました)の著者である原ゆたか氏が対談していました。その中で、原氏が日本の教育の現場では子どもがどのようなものに知的な関心を強く抱くかについて現実的な視点が欠如していると述べていました。

彼によれば、人間は知性が発達するプロセスにおいて、まずは身近にある「謎」を誰かの話を聞いたり何かを読んだりする中で解決することによって学ぶことに積極的な姿勢を示すようになるので、彼が書く本も内容や構成などの面でそのような姿勢を引き出せるような配慮をしているそうです。これは児童心理学という研究分野で主張されることと一致している話ですし、僕らが授業で意識していることでもあるので、興味深い話だと思いながら聞いていました。

例えば、この教室の小論文の授業では養老孟司氏の書いた文章を教材として使うことがあります。彼の著作で一貫して見られるメッセージの一つは、「人間(の脳)は予測可能性や因果関係を好むものであり、それが世界の様々な地域で見られる都市化につながっている」というものです。生徒にこのような話をした時の反応は様々で、頭の中で養老氏の主張に合致するような具体的な事象を思い浮かべることで理解する人もいれば、いまいちピンとこないという表情を浮かべている人もいます。

後者のタイプの人たちを相手に授業をしている時に、僕は「ゴキブリは好きか?」と訊くようにしていますが、多くの場合「嫌いだ」という答えが返ってきます。さらに「なぜ嫌いなのか?」と質問をすると、それについて考えた経験がある人は少なくないようで様々な答えが出て来ます。そこで「ゴキブリは予想外のところから出て来るし、目の動きもよく分からないなど、動きが予測できないから嫌いなのでは?」と言うと、養老氏の主張が理解できた上に自分が以前から疑問に抱いていたことの答えが分かったという意味で「なるほど!」という反応があるのが通常で、このように小論文試験で出題されるような文章を書く人の主張を理解することの意義が明確になる体験を蓄積することで、帰国生入試やAO入試の準備に積極的な姿勢を見せるようになった生徒がこれまで多くいました。

生徒と個人的なコミュニケーションを取る時間を確保することによって、彼もしくは彼女が日々どのようなことを知りたいと考えているか、強い疑問を抱いている対象は何かということに対する理解を深めることができますが、それによって受験に向けた準備に能動的に取り組んでもらうことを促すことができます。そのようなことを考えても、一人ひとりの生徒と大学受験に直接関係のなさそうなものも含めた形で話をすることは僕らにとって重要なのです。

さて、今週のグループ指導についてですが、東京23区やその近郊で新型コロナウィルスに新たに感染した人の数がリバウンドしていると言われており、オリンピックを注視すべきだという声もあります。そのため、公共交通機関を使って教室に来る場合には、ターミナル駅を使わないのであれば対面で、この条件を満たせないケースではzoomなどを使ってオンラインで行うこととし、個別指導や個別面談も同じ方針で実施します。よろしくお願いいたします。

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それでは、帰国生大学受験セミナーのグループ指導の内容や日程などに関して情報をご希望の方は以下のフォーム、もしくはinfo@schoolofliteracy.comよりご連絡ください。よろしくお願いいたします。

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