帰国生入試の出願資格を得るための条件について(11)―帰国生大学入試についてvol. 308―

(2021年7月31日 15:15)

こんにちは。SOLの余語です。
前回の記事では、日本の大学の帰国生入試で出願資格を得るための条件の一つになることがある、卒業した高校が採用する教育制度における大学入学資格を取得しているか(そのための統一試験の結果が提出できるか)というものを取り上げました。この条件はインターネット上で言われているほど多くの大学で見られるものではないですし、大学によっては海外の大学から入学を認められていることを示す書類が提出できれば出願資格を認めるところがあることを確認してもらえればと思います。

さて、海外の教育制度での大学入学資格を得ているかについては、それを必須の条件であるとする慶應義塾大学の帰国生入試とは違い、統一試験などの成績を提出できることが「望ましい」と説明している大学があります。例えば、東京大学の外国学校卒業学生特別選考(2種)の入試要項の中で出願資格を認める条件について述べている箇所には、大学入学資格が必要かどうかに関する言及はありません。しかし、提出を求める書類のリストの9つ目の項が「国家試験等の統一試験成績評価証明書(任意)」となっており、そこには以下のような説明があります。

国家試験等の統一試験のある国では、その統一試験を受験していることが望まれます。すでに受験している場合は、次によりその成績評価証明書(オリジナル)を志願票に添付して提出してください。

ここで使われている表現だけ見ると、統一試験の成績を証明する書類を提出してもしなくてもよいように思われますが、このような説明がなされている大学の帰国生入試は書類審査と筆記試験・面接試験の2段階で合否が決まることが一般的です。そして、書類審査の段階では、受験生がこれまでどのような学校に在籍していたかや志望理由書がどのような内容になっているかといったことまで細かく確認されることはほとんどありません(東京大学が高校などで取り組んできた活動を見るくらいです)。そのため、実際に第一次審査を通過できるようにするには大学入学資格を取得するための統一試験の成績を出さなければならないというように考えておいた方がいいでしょう。

また、そのようなものが書類審査に合格するのに必要であることを考えると、大学によってはただ成績を証明する書類を提出できるというのでは十分ではなく、それぞれの試験における日本人の受験生の中でトップのグループに入れるようなものが望ましいということになります。一つ一つの大学でどれくらいの水準のものが求められるかについてはインターネットで検索するとある程度正確な数値が出て来ますし、今後の記事で各大学の帰国生が受験できる入試を取り上げていきますので、そちらも参考にしてもらえればと思います。

それでは、日本の大学の帰国生入試やAO入試の受験に関してご質問などがありましたら、以下のフォームからご連絡いただくか、info@schoolofliteracy.comにメールをお送りいただければと思います。よろしくお願いいたします。

【教育相談フォーム】
https://www.schoolofliteracy.com/consultation/form.html

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