TOEFL iBTやIELTSを受験するための学習の進め方について(17) ―英語学習の勧めvol. 186―

(2021年7月15日 14:15)

こんにちは。SOLの余語です。
前回の記事では、英語圏の教育機関で学んでいる人でも英文法を母語である日本語を用いながら体系的に学ぶ必要があるということを確認した上で、このところインターネット上などで見られる日本語での学習のサポートを受けるべきだということを述べました。ただし、教師はどのような人でもいい訳ではなく、帰国生入試を受験する人にとっても英文法の学習が重要なものであることを理解していて、学習すべき項目を適切に絞り込むことができる人なのかを確認すべきでしょう。

さて、TOEFL iBTやIELTSのReading対策において問題演習をする際に一つ一つの教材をしっかりと復習をすべきという本筋からずいぶん長い間話が逸れてしまいましたが、英文法の中で確認すべき項目を習得することを考えても、そのような形で学習を進めることは重要なことです。上で述べたように、TOEFL iBTやIELTSに向けた準備においては、日本の大学の一般入試を受験する場合とは違って、学ぶ対象を日本語を母語とする人が理解しにくいものに絞り込むべきです。

しかし、最近日本で発行されているテキストのよい点と悪い点について説明した記事でも述べた通り、学習者にかかる負担を軽減することを意識したとしても、学習しなければならないものは多くあり、授業などで一度ふれただけにしたままでは定着するものは限定的になってしまいます。このような場合、単語の学習の望ましいやり方と同じように、短い期間に何度も学んだ文法項目の内容を確認することが最も効果的な方法となりますが、実際に出題される形式の文章の隅々まで深掘りすることがその機会となります。

また、何事にも共通して言えることですが、習得した知識を実際に正しく活用できるようになるには、それを意識的に使う経験を蓄積することが必要です(これは学問的には「形式知」と「暗黙知」の区別に関する話です)。さらに、それを意識することなく速い速度で行えるようになった段階でその知識は「自動化」され「暗黙知」になったと言われますが、TOEFL iBTやIELTSのReadingのスコアを上げるには問題文をできるだけ速く正確に理解できるようになることが必要であることを考えると、学んだ文法の知識をそのような状態にすることが重要であるはずで、それにはさらに上で述べたような学習の経験を増やしていかなければなりません。そして、その最も効果的な方法が一つ一つの教材を復習していくことになります。

このように、英文法を習得するプロセスにおいても問題演習の教材を細かなところまで確認していくことは大きな役割を果たします。ただし、英文法の学ぶべき部分を体系的に確認し、それを実際のテストと同様の形式で作成された文章上で適用する経験を蓄積するのは時間がかかるプロセスです。北半球の高校に通う人の場合であれば、遅くとも11年生が修了した時点から、南半球の高校に在籍している場合には卒業する前の年の6月下旬から7月中旬にかけての休暇期間からそのような取り組みを始めた方がいいと思います。

それでは、TOEFL iBTやIELTS、TOEICなどの英語運用能力試験の対策についてご質問などがある場合には、以下のフォームからご連絡いただくか、info@schoolofliteracy.comにメールをお送りいただければと思います。よろしくお願いいたします。

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