帰国生入試の出願資格を得るための条件について(8)―帰国生大学入試についてvol. 305―

(2021年7月10日 15:30)

こんにちは。SOLの余語です。
前回の記事では、帰国生入試のような特別入試において「1度しか受験することができない」という制限を設けている大学があることを紹介しました。このような大学を入学することを希望していて、TOEFL iBTやIELTSといった英語運用能力試験のスコアなどが合格に必要な水準に到達していない場合には、高校を卒業してすぐ受験をするのではなく次年度に繰り越すことを考えた方がいいかもしれません。

さて、海外には知的な面での成長が実際の年齢よりも早く進む人の学習意欲を減退させることのないように教育機関における「飛び級」もしくは「繰り上げ卒業」を認めている国があります。その一つがアメリカ合衆国で、実際にSOLのこれまでの生徒でも通常よりも半年から1年早く高校を卒業したという人がいました。日本の大学は帰国生入試において出願資格を認める条件の中に「通常の12年の学校教育を修了したこと」というものを含めることがあるので、他の人よりも早く高校を卒業した場合に受験できないのではないかと不安になる人もいるかと思います。

この点について例えば慶應義塾大学の帰国生入試の2021年度要項では以下のような説明があります。

高等学校卒業までに少なくとも12年の教育課程を基本とする国で,成績優秀者等が 「飛級」 や 「繰り上げ卒業」 により通算教育年数が12年未満で卒業した場合についても出願資格を認めます。(「出願資格 共通条件 注1」)

このように、海外の高校で「飛び級」や「繰り上げ卒業」したとしても帰国生入試の出願資格を得ることができるのが一般的ですが、このような形で高校の教育課程を修了したことについて証明書の提出が求められることがあること以外に、注意すべき点が1つあります。それは、「飛び級」や「繰り上げ卒業」したとしても実際に海外の教育機関に在籍した期間が大学によって定められている条件を満たしていなければならないということです。早稲田大学の帰国生入試の出願資格を認める条件では「注意」として以下のようなことが記載されています。

7. 飛び級または繰り上げ卒業により、日本国外に所在する外国の中等教育機関での在籍期間が、最終学年を含め継続して2年(余語註: 以前にも述べた通り、これは「2学年」の意味です)に満たない場合、当学帰国生入学試験には出願できません。

日本の大学の帰国生入試を受験する予定で、今いる海外の高校で「飛び級」をしたり「繰り上げ卒業」したりすることを考えている人は、今回述べたような点に注意してもらえればと思います。

それでは、日本の大学の帰国生入試やAO入試の受験に関してご質問などがありましたら、以下のフォームからご連絡いただくか、info@schoolofliteracy.comにメールをお送りいただければと思います。よろしくお願いいたします。

【教育相談フォーム】
https://www.schoolofliteracy.com/consultation/form.html

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