6月28日から7月2日までのグループ指導などについて―SOL帰国生大学受験セミナーについてvol. 162―

(2021年6月28日 16:00)

こんにちは。SOLの余語です。
前回の記事では、一人ひとりの生徒と話す時間を確保することによって、彼らの学習における特性や傾向に関する理解を深めることができるということを述べました。その一つが、日本語や英語で書かれた文章を分析的な視点を持って読むことができるかについてのものであり、生徒との会話の中で高校卒業までにこのような力を養う機会があまりなかったことが分かれば、一人ひとりの生徒の状況に合わせて学習計画を立てることができます。

さて、生徒と話をしていると、同じトピックについてどの程度抽象的な説明を受け入れることができるかが人によって異なることが分かります。日頃から新書や新聞などを読んでいる人であれば、具体的な状況を話の中に含めなくても理解ができることが多い(社会的な体験が少ないので実感が伴うところまで行くのは難しいですが)一方で、社会問題に対する関心がそれほどない場合には、その時々にニュースなどで大々的に報道されている出来事や生徒個人が置かれている状況などにふれながら説明を進めていく必要があります(多くの人はこの2つの対応が大きく分かれるケースの中間に位置しています)。

例えば、近年の経済的な格差の拡大や社会保障のために支出される政府や地方公共団体の予算の抑制などにより、日本社会では「介護離職」が深刻な問題になっていると言われます。これは、高齢になった親の介護のために現役の労働者である子供が雇用されていた会社を辞めたり非正規労働者となって不安定な経済状況に置かれたりする問題を指す言葉で、そのような問題に巻き込まれた個人の生活だけでなく、社会全体にも大きな影響があるものとされています。

この問題の重要性について、子供が自分の老後のための備えができなくなることや少子高齢化によって労働力が不足している現状に追い打ちをかけることなどを一通り説明すればある程度理解できる人はいます。しかし、中には親が高齢者になった時に自分が何歳で、どのような職業に就いていればその時点までにどれくらいの貯蓄ができており、親の介護や自分の生活(高齢者になった時期も含めて)にどれくらいのお金がかかるかといった点を個人の状況に合わせて一緒にシミュレーションしてみることでこの問題の深刻さが初めて分かるというケースもあります。

帰国生入試やAO入試では小論文試験の出来で合否が決まることが多くあります。そこでこのようなトピックについての文章が出る場合には、それが解決すべき重大な社会問題であるということが前提になっており、答案もそれを否定した形で作成するのは不合格になる可能性が高い(多くの場合、知識や想像力の欠如とみなされると思います)ので、一人ひとりの生徒に合った形で説明をすることにより、様々な学問分野で取り上げられる問題についての重要性を深めることが必要になります。

この点、生徒と個人的なコミュニケーションを取る時間が十分に確保されていれば、彼もしくは彼女がどの程度抽象的な話を聞くための準備ができているかが分かりますし、できるだけ具体的に話を進めなければならない場合にそこで使うことのできる個人の生活状況などに関する話を聞くこともできます。このようなことを考えても、僕らが一人ひとりの生徒と授業の内外で様々な話題について話をすることには大きな意味があると言えると思います。

さて、SOLでは今週からグループ指導が始まりましたが、東京23区やその近郊で新型コロナウィルスの新規感染者が再び増加し始めたとされています。そのため、グループ指導や個別指導、個別面談は公共交通機関を使って教室に来る場合には、ターミナル駅を使わないのであれば対面で、この条件を満たせないケースではzoomなどを使ってオンラインで行うことにします。よろしくお願いいたします。

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それでは、帰国生大学受験セミナーのグループ指導の内容や日程などに関して情報をご希望の方は以下のフォーム、もしくはinfo@schoolofliteracy.comよりご連絡ください。よろしくお願いいたします。

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