TOEFL iBTやIELTSを受験するための学習の進め方について(16) ―英語学習の勧めvol. 185―

(2021年5月26日 15:20)

こんにちは。SOLの余語です。
前回の記事では、日本で出版されている英文法の教材の中に、「理解すること」よりも「覚えること」に重点を置くことが学習者に大きな負担をかけるという批判を踏まえたアプローチを取るものが増えているということを述べました。ただし、このような教材の内容は興味深いものである一方で、文量が多い上に、英文法の学習をした経験がある人の「学び直し」のためのものとされているものがほとんどですので、初学者が自学自習を進めるための教材として適当なものとは言えないかもしれません。

※もちろん意欲がある人が挑戦するのを否定する訳ではありません。前回紹介したものの中では一つ一つの項が簡潔にまとまっている『英文法鬼100則』から手を付けるのがいいと思います。

このようなことを考えると、英語圏の教育機関で学んでいる場合でも英文法のあり方を日本語で説明できる人に学習のサポートをしてもらう必要があるということになるのだと思いますが、現在はインターネットへのアクセスが普及したこともあり、オンラインで海外の高校に在籍している人の学習支援を行うプログラムが多く見られるようになりました。そこでTOEFL iBTやIELTSのReadingで出題される文章を速く正確に読むために必要な文法事項を説明してもらうことは負担を軽減しながら学習を進めることにつながるため望ましいことだと思います。ただし、どのようなものを選択するかについては以下の2点に注意しましょう。

まずは、海外の高校で学んでいても日本語を母語とする多くの人にとって英文法の体系的な学習が重要なものであるということを教師がしっかり理解できているかという点です。上のようなプログラムでどのような人が教えているかを確認すると、海外滞在歴が長く英語を使用した体験の中で文法に対する自分なりの理解を感覚的に深めたのではないかと思われるような話をしている人がいます。このような人の中には「英語の文法について体系的な学習をする必要はない」と考える人も少なからずおり、彼らの行うReading対策の授業は文章の内容を確認し、そこから答えをどう導くかということを解説するだけで授業が終わってしまうのが一般的です。これでは、様々な文章を速く正確に読み進めていくための力が身に付かないということになってしまいます。

また、教師に英文法の学習の必要性について十分な理解がある場合でも、指導の仕方が学習者に大きな負担を与えるものであっては意味がありません。海外の高校で学んでいる人を含めた日本語母語話者が英語を学ぶに当たって難しさを感じる事項はどのようなものかという点に関する理解を基に学習範囲の絞り込みができ、前回の記事で述べたような英文法教育における新しい観点を実際の指導に反映させることができる人が教えるということがないと、学習者が自分の課題に継続的に取り組んでいくという姿勢を持つことは困難だと思われます。そして、英語を含めた言語運用能力の向上にはこの「継続的に取り組んでいくという姿勢」が必要不可欠なのです。

なお、SOLではTOEFL iBTやIELTSの直接的な対策だけでなく英文法に対する理解を高めるための授業もオンラインで実施しており、その教材の作成や指導の方針の決定については上で述べたような注意点を十分に留意する形で行っており、これらの英語運用能力試験の成績が一定の水準から伸びないという人にはなるべく早い段階で受講してもらえればと思います(具体的な内容や授業料などについては以下にリンクを張るフォームからご連絡ください)。

それでは、TOEFL iBTやIELTS、TOEICなどの英語運用能力試験の対策についてご質問などがある場合には、以下のフォームからご連絡いただくか、info@schoolofliteracy.comにメールをお送りいただければと思います。よろしくお願いいたします。

【教育相談フォーム】
https://www.schoolofliteracy.com/consultation/form.html

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