こんにちは。SOLの余語です。
帰国生入試やAO入試が多く行われる時期に入ると、生徒から受験会場がどのような様子であったかという話を聞く機会が多くなります。その中で、特に早稲田大学や慶應義塾大学のような難関私立大学とされているところの帰国生入試などの合否に関する発表が出た後にある入試を受けに行った人から聞くのが、すでに第1志望の大学に受かっているのに関わらずその後も受験を続ける人がいるというものです(今年度も立教大学経営学部の帰国生入試に慶応義塾大学に合格しているという人が来ていて第2次審査の面接試験に進んでいたようです)。
このような人の多くは、「1つの入試について35,000円という高額な受験料を払っているのだから受験しないのはもったいない」、「できる限り多くの大学から合格を得ることで自信を高めたい」、もしくは「冬の時期に国立大学の帰国生入試を受験するので模試代わりに受けておきたい」(実際に、このような目的で大手の予備校や塾は横浜国立大学や北海道大学といった早い時期に実施される帰国生入試の受験を勧めているようです)ということを考えているのだと思います。その一部は僕にも理解できるのですが(何かをするのに35,000円払うとなったら躊躇してしまうと思います)、帰国生入試やAO入試の受験において彼らの行動を望ましいものと評価することはできません。
僕がそのように考える理由は、これらの特別入試には一般入試でよく見られるような「繰り上げ合格」(合格を出した生徒が他の大学に行ってしまった時にその欠員を次点の人で埋め合わせるという制度です)がないということにあります。早稲田大学や慶應義塾大学の帰国生入試に合格している人のTOEFL iBTやIELTSなどのスコアは高いことが多く、その後の入試でも比較的有利な立場に立つことができます。彼らが私立大学の入試の受験を続けてしまうと、そこで学びたいと真剣に考えている他の受験生が目標を実現できないということになる可能性が高まるのです(ここ数年、国の地方創生政策の一環として首都圏の私立大学の文系学部に対する全ての入試で合格を出す人の数に関する規制がかけられており、様々な受験生をサポートする現場で混乱が出ていると言われていますが、このような制度の存在によって今回取り上げているような受験生の行動がその他の人に与える悪影響がより深刻なものになります)。
そのため、僕らは第1志望の大学への入学が決まった人にはその時点で受験を止めるようにという話をしています(それに対して、当初は難色を示す人もいるのですが、上のような話をすると皆納得してくれます)。しかし、大手の予備校や塾では、第1志望の大学に受かった後も受験を続けるといった行動を、翌年のパンフレットの内容をより魅力的なものにしたいという意図があるのか、少なくとも黙認するという姿勢を変えることはないようです。それが自分たちのプログラムを受講している他の生徒を含めた多くの受験生にとって自己実現に対する大きな障害を生み出しているという点で、予備校や塾の見せるこのような姿勢は教育機関としての責任を放棄したことを示していると評価してもいいのではないかと考えています。
さて、今週の個別指導や個別面談についてですが、東京23区やその近郊で新型コロナウィルスの感染者の減少ペースが鈍化しており、国の緊急事態宣言が延長されることになりました。そのため、公共交通機関を使って教室に来る人については、ターミナル駅を利用しない場合には対面で、この条件を満たせないケースではzoomなどを使ってオンラインで行うことにします。よろしくお願いいたします。
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3月8日から3月12日までの個別指導などについて―SOL帰国生大学受験セミナーについてvol. 144―
(2021年3月8日 15:35)