2月22日から2月26日までのグループ指導について―SOL帰国生大学受験セミナーについてvol. 142―

(2021年2月22日 18:00)

こんにちは。SOLの余語です。
前回の記事では、帰国生入試やAO入試で満足のいくような結果を出すには、小論文試験の対策などに積極的に取り組む姿勢が必要である一方、受験に臨む人の学習意欲のあり方は人によって大きな違いが見られ、学ぶことに消極的になっているという状況に至るのにも様々な要因が関係しているということを述べました。学習者から日々の学びに対する強い意欲を引き出すには、彼ら一人一人が直面する問題を教師が確認した上で対応を考えられるような環境が必要です。

さて、若者の学習意欲について議論がなされる際には、学ぶことに前向きになれない人に焦点が当たることが多いと思いますが、積極的な姿勢を持っている人についても考えておくべきことがあります。SOLの帰国生大学受験セミナーの生徒の中には、教室に通い始める以前の段階で強い学習意欲を持っている人も少なくありません。ただし、自ら学習に取り組むようになった動機やきっかけについて話を聞いてみると、一般的に考えられているよりも多様な事情が背景にあることが分かります。

例えば、現在、前回も紹介した社会学者の苅谷剛彦氏のように若者の学習意欲のあり方に関する研究を行っている人が多くいますが、彼らの論考などで取り上げられるものの一つが保護者の学歴のような家庭の状況です。両親の学歴が高く、社会問題に関する会話が家庭内で日常的に行われていたりそれに関する本が至るところにあったりする環境では、子どもがそれに強い関心を抱く可能性があるということは容易に想像できるところです(もちろん、実際にはそうならないケースも少なくはありませんが)。また、そもそも幼少期から自分が日々の生活で抱く様々な疑問を解消していくことと何かを学ぶことの間につながりがあることを実感した体験を蓄積できている人は学習意欲も旺盛なものになる傾向があるとされています。

一方で、周りの大人から社会的な評価が高い大学に進学しておくことが将来就職する時に有利であるという話を聞いたり、大学受験をする以前の段階でよい成績を修めてきたことが自分の評価を支えるものであるという自己理解を持っていたりすることが学びに積極的に取り組む唯一の理由であると言う人もおり、極端なケースでは、それらが一種の強迫観念のようになってしまって、精神的に追い詰められた状態から強い疲労感を感じていることもあります。このような形で引き出された学習意欲は、ある時点では大変強いものであったとしても、持続性があるものとは言えず(日本の大学生が入学後にあまり学習しないと言われていることがその証左の一つと言えるでしょう)、何かのきっかけで学びに対して消極的な姿勢しか持てないようになる可能性があります(中には拒絶反応を示すケースもあるでしょう)。

大学の帰国生入試は定員が明確に定まっておらず、学部・学科の設定する基準を超えた受験生を積極的に受け入れることが多いものの、受験に向けた準備が必ず報われるわけではないですし、試験当日の精神的、肉体的なコンディション次第で予想ができない結果が出る場合もあります。また、長期的な視野に立つのであれば、現代社会ではこれまでに考えられなかった大きな変化が数多く起こると言われており、その中で安定した形で生活を営むためには継続して学習に取り組む姿勢が重要になるという指摘もあります。これらのことを考えると、若い人の学習意欲を維持・伸長していく取り組みが大学受験準備のサポートをする現場でも求められるはずであり、そのあり方を決める際には一人ひとりの生徒の学習に臨む際の姿勢を支えるものを理解するために教師が彼らとじっくりと向き合うことのできる環境が必要になると思います。

さて、今週のグループ指導についてですが、東京23区やその近郊で新型コロナウィルスの感染者が増加するペースは1月の下旬から大幅に低下しましたが、国の緊急事態宣言は3月7日までが対象となっています。ただ、現在、教室で受験準備を続けている人は教室の周りに居候先があるか、自転車などで来ているかですので、これまでと同様の形で行いたいと考えています。また、個別指導や個別面談は、公共交通機関のターミナル駅を使わずに教室に来ることが可能な場合は対面で、この条件を満たせないケースではzoomなどを使ってオンラインで行うことにします。よろしくお願いいたします。

【個別面談お申込みフォーム】
https://www.schoolofliteracy.com/consultation/form2.html

それでは、帰国生大学受験セミナーのグループ指導の内容や日程などに関して情報をご希望の方は以下のフォーム、もしくはinfo@schoolofliteracy.comよりご連絡ください。よろしくお願いいたします。

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