TOEFL iBTやIELTSを受験するための学習の進め方について(1) ―英語学習の勧めvol. 170―

(2020年7月2日 17:10)

こんにちは。SOLの余語です。
今年も早いもので7月に入りましたが、帰国生入試やAO入試の出願手続きが早く始まる大学では、TOEFL iBTやIELTSなどのスコアが有効とされる期限が迫ってきています(早稲田大学の帰国生入試ではすでに過ぎてしまいました)。短期間で英文の読み方や書き方を劇的に改善するのは難しいことですので、英語運用能力試験のスコアの提出について時間的余裕がないのに各大学の入試で合格するのに必要とされるような結果がまだ出ていない場合には、意味の理解できる単語の量を増やすことに時間を使うのがいいと思います。

さて、日本の大学の帰国生入試やAO入試でTOEFL iBTやIELTSなどの結果の提出が求められ、大学や学部・学科によって求められている水準は様々であるものの、多くのところで合否の判定に大きな影響力を持っていること(中には、このようなテストの結果しか見ていないのではないかと思われる入試もあります)は、海外の高校で学んでいる人の間では広く知られていることだと思います。そのため、最終学年に入る前からその対策を始めたり、実際にテストを受験してみたりする人が多くいます(SOLでも、6月3日に掲載した記事でお知らせした通り、この夏にTOEFL iBTやIELTSの準備を進めたいという人のためのグループ指導を実施しています)。

このような準備を進める中で、スコアが順調に上がって行く人もいるでしょう。しかし、本番の出題形式と同様の問題を解いているはずなのにTOEFL iBTだと80前後、IELTSだと5.5~6というところからスコアが伸び悩むという状況に直面しているというのも帰国生や海外生の間ではよく見られることで、実際にこのような問題を克服するためにSOLの教室に通い始めたという人が毎年必ずおり、1年間に授業を受ける15~20名の生徒のうち半数以上を占めるという年も珍しくありません。

この問題には、英語圏の国に滞在した長さ(SOLには、例年カナダやアメリカ、オーストラリア、ニュージーランドに単身留学している人が多く集まります)、日本の学校で受けていた英語教育のあり方とその理解度、母語である日本語運用能力の高さ、コミュニケーションに対する積極性など、様々なものが関連しており、これらの要因が与える影響も個人によって異なります。

ただし、英語運用能力試験のスコアが一定のところから伸びない人が学習している様子を見ていて気付くのは、多くの場合、例えばリーディングの問題演習において答え合わせをした後に問題文全体を辞書を用いながら見直したり、ライティングの練習をする中でエッセイに付けられた語法や文法、内容に関するコメントを踏まえて書き直しをしたりというように、一つ一つの教材に時間をかけて向き合うことなく次のものに進んでしまうという形で学習を進めてしまっていることです(英語運用能力試験対策の授業を行っている塾などでは、例えば次の日までに4、5本のエッセイを書いてくるというような宿題を出して、ここで述べた学習に臨む姿勢を定着させてしまう形で指導を行っているところが少なくないという話を聞いています)。

そこで、次回の記事からTOEFL iBTやIELTSなどに対応するための英語運用能力を身につけるための学習をする際に、上で述べたようなアプローチにはどのような問題が考えられるのか、そして望ましい学習のあり方とはどのようなものなのかということを、まずは多くの帰国生や海外生がスコアの伸び悩みという問題に直面することが多いリーディングに関する対策を取り上げながら確認していこうと思います。

それでは、TOEFL iBTやIELTSなどの英語運用能力試験の対策についてご質問などがある場合には、以下のフォームからご連絡いただくか、info@schoolofliteracy.comにメールをお送りいただければと思います。よろしくお願いいたします。

【教育相談フォーム】
https://www.schoolofliteracy.com/consultation/form.html

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