立教大学の自由選抜入試について ―帰国生大学入試についてvol. 281―

(2020年12月28日 16:20)

こんにちは。SOLの余語です。
前回の記事では、首都圏の有名私立大学の帰国生が多く受験する入試としては最も遅い時期に実施される立教大学経営学部の帰国生入試の特徴を説明しました。この入試は以前、英語試験もしくは出願手続き時に提出した英語運用能力試験の成績で合否がほとんど決まってしまうという傾向が見られましたが、小論文試験の出来も考慮するようになった可能性があります。受験を考えている人は、英語運用能力試験の対策だけでなく小論文の学習もしっかりとやるようにした方がいいでしょう。

さて、この大学では自由選抜入試という名前の特別入試も実施されています(他の大学のAO入試に当たるものと考えればいいと思います)。この入試を海外の高校を卒業した人が受験するには例年8月末から9月初めの間に行われる出願資格審査のために大学指定の書類を提出する必要がありますが、高校の成績などを見て出願資格を認める学部(法学部や社会学部、現代心理学部などがこれに当たります)と、高校を卒業していればいい学部(文学部や経済学部などです)といったように学部によって審査の中で何が見られるのかが異なります(海外から日本の高校に編入学した場合には、前者のタイプの学部で評定平均値に関する条件が設定されています)。

後者のタイプの学部の中で、海外の学校で学んだ経験のある人の間で人気があるのが異文化コミュニケーション学部です。この学部は他の大学に置き換えると外国語学部に様々な国や地域の文化について学ぶグローバル・スタディーズ系の学部を足したものであり、通訳や外国語もしくは日本語の教師を目指す人に合った学習環境を提供しています(英語や日本語だけでなくあらゆる言語でのコミュニケーションの内容を正確に理解するにはそれが用いられている地域の文化や人々の価値観を理解しなければなりません)。SOLの生徒の中でも、上智大学の外国語学部や青山学院大学の文学部英米文学科などを志望する人が受験候補の一つとする人が多いところです。

この学部では自由選抜入試に2つの方式があり、どちらも合否の判定は2段階の審査で行われますが、第1段階の書類審査でかなり志願者の数が絞られます。それを考えると、出願手続き時に提出する外国語運用能力試験(「方式A」の場合には、英語運用能力試験の成績に合わせて大学が指定するドイツ語やフランス語、スペイン語、中国語、韓国語の検定試験の成績を提出することで出願資格が認められます)の成績をできるだけ高い水準のものにしておくことが望ましいですし、志望理由書についても何をこの学部で学びたいのか、それを学ぶことにどのような意義を感じているのかといった点に関して自分なりに検討を重ねるべきだと思います(例えば、SOLから出願する人の中には、今まで外国語を使う中で自分が抱いた感覚を外国語学習に関する本などを参考に深く掘り下げて、そこから通訳になることの意義を考えていくという人がいます)。

第2段階は出願した方式によって異なる審査の形を採っており、「方式B」は面接試験のみとなりますが、「方式A」はそれに合わせて日本語による読解・論述試験を受けることになります。この読解・論述試験では言語や文化に関するトピックだけでなく社会や政治など広い範囲のものについて研究者が書いた文章が出題されます。この段階でも多くの不合格者が出ますので読解・論述試験の対策もしっかりと行うべきだと思います。

※SOLのこれまでの生徒の中には、海外の高校を卒業し現代心理学部の出願資格審査で資格を認められその後の試験も合格した人などがいます。そこでどのようなものが必要となるかについては以下にリンクを張るフォームなどより質問をしてもらえればと思います。

また、英語で学ぶプログラムである国際コースの入試については、設置されてからまだ日も浅く、このようなプログラムが他の大学でも多く見られるようになり、十分な能力を持った教員を確保することは難しい状況であると考えられるため、このブログで取り上げる予定は今のところありません。

それでは、日本の大学の帰国生入試やAO入試の受験に関してご質問などがありましたら、以下のフォームからご連絡いただくか、info@schoolofliteracy.comにメールをお送りいただければと思います。よろしくお願いいたします。

【教育相談フォーム】
https://www.schoolofliteracy.com/consultation/form.html

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