こんにちは。SOLの余語です。
前回は、早稲田大学で受験生からの人気を集めている学部の一つである国際教養学部のAO入試を取り上げました。この入試の国外選考では高校での成績や出願手続き時に提出するエッセイの内容が合否の判定において重視されますし、国内選考では筆記試験の英語論述読解問題の対策が重要になります。受験を考えている人はそれぞれの選考の傾向に合わせた準備を進めるようにしましょう。
さて、今回は立教大学経営学部が実施している帰国生入試の特徴をお知らせしたいと思います。この学部は経済学部の学科の一つを独立させ、経営学科と国際経営学科の2つの学科がある体制にするという形で設立されたのですが、今ではこの大学の中でも最も人気のある学部の一つとなっています。新聞社と提携していわゆる「提灯記事」を書かせているのが気になるものの(僕の印象に残っているのは国際経営学科が先進的なカリキュラムを採用しているという趣旨のものでしたが、そこでは英語で自己紹介させるということしか授業の内容に関する言及はありませんでした)、それぞれの学科が有名企業と協力して授業で学んだことを実践的に活かすことができるプログラムを設けており、そのような機会に魅力を感じる人にとっては理想的な学習環境と言えると思います。
この入試は首都圏の有名私立大学が実施するものとしては時期的に最も遅いものであり、TOEFL iBTやIELTSなどのスコアが高いもののそこまでの受験がうまくいかなかった人が集まってくるため、競争が厳しいものとなります。合否の判定は2段階の審査で行い、第1次審査では大学が指定する英語運用能力試験の成績と小論文試験の出来を見るとされていますが、最近まではその結果を翌日の朝、または当日の夜までに出さなければならないということがあり、英語運用能力試験の成績しか見ていなかったようです(大学が作成した英語テストを実施していた頃は、小論文試験の問題文を誤った形で読んでしまい、出題者の意図に全く沿っていない文章を書いてしまった人が英語テストで8割以上を取って合格するということがよくありました)。
しかし、今年の入試の合格発表が先日あり、以前であれば合格可能性が高いと自信を持って言うことができない水準の英語運用能力試験のスコアを提出した人が合格しました(IELTSで6.5です)。ここ数年、様々な大学で英語を主な使用言語とする9月入学プログラムが開設され、大学入学資格を取得するための統一試験や英語運用能力試験の成績がよい人がそちらに流れていることがあるため、受験生の英語運用能力試験の成績が全体的に低下していることも考えられますが、英語試験の採点する手間を省くことができるようになったこともあり、小論文試験の出来を第1次審査の合格を発表する前に確認するようになったと捉えることもできます(第2次審査の発表までずいぶん時間が開いていますので、第1次審査の段階でざっと見て、次の段階でしっかりと添削しているということもあるかもしれません)。
このようなことを踏まえると、TOEFL iBTやIELTSなどの対策を十分に行いスコアをできるだけ高くしておくことに合わせて、小論文試験に向けた準備をしっかりとやっておくことが必要になると言えるでしょう。
それでは、日本の大学の帰国生入試やAO入試の受験に関してご質問などがありましたら、以下のフォームからご連絡いただくか、info@schoolofliteracy.comにメールをお送りいただければと思います。よろしくお願いいたします。
【教育相談フォーム】
https://www.schoolofliteracy.com/consultation/form.html
立教大学経営学部の帰国生入試について ―帰国生大学入試についてvol. 280―
(2020年12月25日 19:15)