10月26日から10月30日までのグループ指導について―SOL帰国生大学受験セミナーについてvol. 125―

(2020年10月26日 10:45)

こんにちは。SOLの余語です。
先週のグループ指導についてお知らせした10月19日の記事では、自分の母語ではない言語が主に使用されている大学への進学を考える際には、学習者が持つその言語の運用能力の高低や海外の学校における生活においてそれを用いている時に抱いた心象、大学で学ぶことに対する強いモチベーションの有無などについての一人ひとりの状況を踏まえて慎重に判断すべきということを述べました。

上のような記事をこの時期に掲載したのには、今年の新型コロナウィルスの世界各地における感染拡大によって日本への一時帰国が難しくなってしまったことで、11月に高校を卒業した後に現地の大学への進学を考えているオーストラリアやニュージーランドへの単身留学生が多くいるであろうと推察されるということがありました。現在の日本社会には英語圏の大学(もしくは、日本の大学の英語のみを使用するコース)で学ぶことがどのような学習者にとっても望ましいことであると考えている人が多くいて、英語圏の大学で実際に学ぶ中で事前に期待していた(ほどの)ものを吸収できなかったと感じている人の声が黙殺されているという状況があり、そのような中で大学進学を考えている人に自分がどの言語で学ぶことで最も大きな知的成長を遂げることができるかを冷静に考えるきっかけになればと思っています。

英語圏の大学で学ぶことを積極的に推奨する人の中には、将来の就職に良い影響を及ぼすということをメリットとして挙げる人が少なくありませんが、例えば少子高齢化で国内市場が縮小し国際的に事業を展開していくことが求められているとされる日本の企業では、以前の記事でも紹介したように(望ましいことなのかどうかといった点は別として)外国語運用能力や異文化に対する理解よりも主体性やコミュニケーション能力が重視されているようですし、大学を卒業後に一般的な企業に就職したSOLのOBOGの中には、英語を話せることを自分の強みと考えている人の数がすでに飽和状態に近いところまで来ていると判断して、専門的な技量や批判的な分析能力などを身につけるための学習を始めている人が少なくありません。今年度から始まった日本の大学入試に関する改革で一般入試においても英語運用能力試験の成績の提出が求められる大学が増えており、日本の高校生がそのための準備に積極的に取り組むようになることを考えても、英語で(日常的な)コミュニケーションが取れることだけでは就職活動の中で優位な立場に立つことが難しくなるように思われます。

また、英語が主に使用される海外の企業で働く場合には、英語運用能力が高いことは「当たり前」のことであり、それ自体が自分の地位を押し上げることはありません。このような方向性でキャリアを形成する場合、日本以外の国や地域の企業では大学院に進学することが日本の多くの企業と違いマイナスに働くことはありませんので、大学では日本語を使って批判的な分析能力を十分に伸ばしたり専門的な知識を蓄積したりした後で、英語圏の大学でさらに学びを深めるということも選択肢の一つになるでしょう。このように、就職のことだけを考えても、海外の中学校や高校で学んだ経験があっても、日本語を母語としている人が英語圏の大学で学ぶことが望ましいことなのかどうかは、学習者一人ひとりの状況を踏まえて慎重に判断すべき問題なのだと思います。

さて、今週のグループ指導や個別指導についてですが、東京23区やその近郊で新たに新型コロナウィルスの感染が判明した人が増加するペースが一定になってきていますので、ここ2ヶ月間と同様に、公共交通機関を使って教室に来る場合、新宿や渋谷といったターミナル駅を使わない人には対面で受講してもらい、この条件を満たせないケースではzoomなどを使ってオンラインで授業を受けてもらうことにします。個別面談も同じ方針で行う予定ですが、大学進学についての方向性を考えている人にそのような機会を活用してもらえればと思います。

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それでは、帰国生大学受験セミナーのグループ指導の内容や日程などに関して情報をご希望の方は以下のフォーム、もしくはinfo@schoolofliteracy.comよりご連絡ください。よろしくお願いいたします。

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