こんにちは。SOLの余語です。
前回は、9月終わりから10月初めという時期に実施される入試の一つである学習院大学の海外帰国入試を取り上げました。この入試では、学部によって提出すべき書類や試験の形式が異なりますし、合格するのに必要なものも特に文学部において各学科で違いが見られます。また、文学部や経済学部を受験する場合には最近珍しくなった英語試験に向けた準備もしなければならないということにも注意した方がいいでしょう。
さて、今回は慶応義塾大学が実施しているAO入試の中で帰国生が受験することの多いSFCのAO入試の特徴を紹介したいと思います。
〇慶応義塾大学総合政策学部及び環境情報学部のAO入試
これらの学部は、都心から遠いところにキャンパスがあるという地理的な要因があるためか、帰国生入試において試験前に学部長がその魅力について受験生に語るための時間が設けられているというような他学部で見られない難しい状況に置かれているようです。しかし、幅広い専門領域をカバーする少人数制の授業を積極的に行うなど、学習意欲の高い学生が満足できるようなカリキュラムを採用しており、ここ数年SOLから進学した人の間でも評判が大変よいものになっています(以前の記事で取り上げた慶應義塾高校などからの内部進学者の増加がそれを裏付けているように思われますし、OBOGやその周りの人によれば、最近他学部から転部してくる人も目立つそうです)。これらの学部のAO入試は夏と秋の2つの時期に実施されていますが、後述するように出願手続き時に提出する書類の内容をできるだけ練り上げることによって合格可能性が高まるということがあり、SOLでは秋の時期に出願する人が多いです。
合否は、1次審査の際にどのような書類を提出できたか、そして面接試験で志望理由が活動などを通じて得た経験を踏まえて自分なりに考え抜いた結果であり、それがこれらの学部が提供できるものに合っているかということをどれだけアピールできるかにかかっています。書類の内容については、自分が学んできた教育制度における大学入学資格試験や外国語運用能力試験で比較的高い水準の成績が取れているケースでは、自分が大学で学びたいと考えていることと強い関連性を持つ社会的な活動などに自発的な形で取り組み、その中で多くのことを得ることができたということを示すことが求められますが、そこで取り上げる活動は広く社会から高い評価を受けるものでなくても問題ありません(例えば、SOLのOBOGは貧困問題に直面した人を支援するボランティア活動にいくつも参加したことを前面に打ち出すという形で合格していますし、e-gameの大会に参加した経歴というようなものでも認められるという話を聞いています)。
上のような傾向を踏まえると、この入試の受験を考えている人は、在籍している高校での学習に真剣に取り組むだけでなく、自分が滞在している国や地域での社会的な活動などに積極的に参加し、そこで見聞きしたことや考えたことをしっかりと整理しておくようにした方がよいと思います(なお、これらの学部の一般入試は、英語運用能力を高い水準まで伸ばすことができた人には取り組みやすいものなっています。それについては今後の記事で説明する予定です)。
それでは、日本の大学の帰国生入試やAO入試の受験に関してご質問などがありましたら、以下のフォームからご連絡いただくか、info@schoolofliteracy.comにメールをお送りいただければと思います。よろしくお願いいたします。
【教育相談フォーム】
https://www.schoolofliteracy.com/consultation/form.html
慶応義塾大学SFCのAO入試について ―帰国生大学入試についてvol. 272―
(2020年10月23日 12:15)