明治大学法学部の海外就学者特別入試と政治経済学部のグローバル型特別入試について ―帰国生大学入試についてvol. 270―

(2020年10月09日 18:05)

こんにちは。SOLの余語です。
前回の記事では、例年9月下旬に実施される法政大学の帰国生入試を紹介しました。この入試においては、スコアを提出できる英語運用能力試験がTOEFL iBTに限定されていることと、文学部と経営学部では合格するのに必要な水準が異なることです。どちらを志望するか決まっていない段階では高い方を目標とする形で準備を進めるのがよいと思います。

さて、今回は法政大学の帰国生入試を同じような時期に行われる明治大学の2つの学部の特別入試の特徴について説明します。

〇明治大学法学部の海外就学者特別入試
この大学は以前、出願条件や試験の内容が異なるものの、様々な学部で帰国生のみを対象とした入試を実施していたのですが、他学部が独自の入試制度を設けた結果、法学部だけが海外就学者特別入試を実施するようになりました。この学部では、大学で学んだことを将来どのような形で活用したいかということによって5つのコースが設置されている上に、(この大学の他学部でも見られる特徴ですが)ゼミと呼ばれる少人数制の授業を1年次から受けられるようです。資格取得のためのサポート体制もありますので、大学卒業後に就きたい職業が受験前の段階で決まっている人にとってはよい学習環境かもしれません。

この入試における合否は、TOEFL iBTを含む大学指定の外国語運用能力試験の成績と小論文試験、プレゼンテーション、面接試験の出来で判定されます。TOEFL iBTのスコアについては61以上であれば出願資格を得ることができますが、ここ数年カリキュラムの中で専門的な英語運用能力を習得することができるというのがアピールポイントになっていますので70以上のスコアを取っておくのが望ましいでしょう。また、この学部では以前から日本語運用能力が重視される(法学では専門用語が多く出てきますし、法文の解釈が主な学習の対象であることがその背景にあります)ため、小論文やプレゼンテーションの準備はしっかりとやっておくのがよいと思います。

〇明治大学政治経済学部のグローバル型特別入試
この学部は早稲田大学の政治経済学部と同じような学科の構成を採用しており、最近人気が高まっている政治学や経済学、そしてそれに関連した分野を学際的に学べる上に、生徒に対する教員の数も比較的多いため、グローバル型特別入試もAO入試の中で受験者が多いものの一つになっています。(以前から述べているように、英語圏の国のみに重点を置いた形になっているのには日本社会の生存戦略をどのように考えているのかという点や大学が学生をしっかりと面倒を見る気があるのかといった点から疑問が残りますが)アメリカの大学とのダブル・ディグリープラグラムのような国際性がある教育プログラムがあることや、多様な内容を扱うゼミ形式の授業が1年次から履修できることも評価を高める要因になっているのでしょう。

この入試では、大学が指定する外国語運用能力試験の成績と日本語による論述読解試験や面接試験の出来で合否が判断されます。外国語試験の成績については、出願資格を得るのに例えばTOEFL iBTであれば68以上、IELTSだと6.0以上といった基準が設けられていますが、この入試は数年前から実施が始まったもので、10年以上の運用歴がある早稲田大学政治経済学部のグローバル入試に比べて、日本語による筆記試験の形式や難易度が安定しておらず、年度によっては問題文として難解なものが出題されることがあります。このようなことを踏まえると、図表の解釈も含めた日本語の読解論述試験の対策を行うことに加えて、外国語運用能力試験の成績をできるだけ伸ばしておくこと(TOEFL iBTであれば95、IELTSであれば7.0を目標にしましょう)が望ましいことだと言えると思います。

それでは、日本の大学の帰国生入試やAO入試の受験に関してご質問などがありましたら、以下のフォームからご連絡いただくか、info@schoolofliteracy.comにメールをお送りいただければと思います。よろしくお願いいたします。

【教育相談フォーム】
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