法政大学の帰国生入試について ―帰国生大学入試についてvol. 269―

(2020年10月02日 12:45)

こんにちは。SOLの余語です。
前回の記事では、青山学院大学の海外就学経験者入試の特徴について説明しました。この入試では、上智大学の海外就学経験者(帰国生)入試と同じように、学部によって合格に必要なものが異なっています。その中でも、国際経済学部では一次審査を通過するのにTOEFL iBTやIELTSなどの成績が高いことが求められますし、小論文試験に対応するのに一定の知識の蓄積が必要になりますので、それを踏まえて着実に準備を進めていくようにしましょう。

さて、今回はICUや上智大学などと同じ時期に実施される法政大学の帰国生入試を取り上げたいと思います。この大学はグローバル教養学部(この学部の入試は後で紹介する予定です)の開設や留学プログラムの整備などによって、受験生の間での人気が上がっていると言われますが、文系学部に限定すると文学部や経営学部が帰国生入試で学生を募集しており、合否の判定はTOEFL iBTのスコアなど出願手続き時に提出した書類による第一次審査と、小論文試験と面接試験が実施される第二次審査によって行われます。

この入試を受験する際の注意点は、スコアを提出することができる英語運用能力試験がTOEFL iBTのみであることで、上智大学や青山学院大学のように大学が定めている基準などはありませんが、合格するのに必要なものは学部・学科で異なります。ここ数年、将来の就職の際に有利な立場に立てると考えて経済学や経営学を学べるところを志望する人が増えているため、経営学部では85以上であることが望ましいでしょうし、もともと心理学を学びたい人が多い上にこの大学では犯罪心理学のような他にはない授業がありますので、文学部心理学科についても同じように考えた方がいいと思います。一方で、文学部の心理学科以外のところでは、これまでにSOLから受験した人のスコアを見ると、65前後でも合格可能性があります。

第二次審査では小論文試験の出来が重要で、文学部でも経営学部でもこの段階で不合格になる人は少なくないため、自分が受験する学科で扱われる学問領域で問題となりそうなテーマについて本を読んだり小論文を書いたりするという形で学習を進める必要があります。また、面接試験でも自分が学びたいと考えていることと大学が授業として提供できるものの間でミスマッチがあると問題になる可能性があります(現在、日本の大学は退学者が出ることに非常に敏感になっていますので、この点は他の大学でも変わりません)。志望理由書を作成する時点から大学のパンフレットで各学部・学科で何を学ぶことができるのかをしっかりと確認するのがよいと思います。

それでは、日本の大学の帰国生入試やAO入試の受験に関してご質問などがありましたら、以下のフォームからご連絡いただくか、info@schoolofliteracy.comにメールをお送りいただければと思います。よろしくお願いいたします。

【教育相談フォーム】
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