こんにちは。SOLの余語です。
先日、このブログで 2015年度にSOLの帰国生大学受験セミナーに通った生徒の合格実績をお知らせしました。SOLの帰国生大学受験セミナーには例年、20~25人の生徒が通ってきますが、それにしては合格した大学の数が少ないのではないかと前回の記事を見てお考えになった方もいるかもしれません。
このような印象を与えることがあるのは、SOLの生徒一人一人が受験している大学の数が一般的な予備校に通う人の平均に比べて少ないことが関係していると思います。そして、その背景には、自分が学びたいと思う大学について生徒が自分一人で考えるよりもイメージを深めることができる環境がSOLにはあるということがあります。
例えば、受験する大学を決定する場面では、生徒が自分だけで情報を集めて考えるのではなく、僕たち講師陣が生徒一人一人の(潜在的なものを含めた)学力や将来の希望に合わせた進学先の候補を提示したり、その上で講師と生徒がじっくりと話し合う時間を持ったりしていますし、SOLの教室には現役の大学生や社会人になったOBOGが頻繁に出入りしていて、彼らが通っている大学の様子や各学部学科で学ぶことを聞ける機会も豊富にあります。これらのことによって、多くの生徒は受験する大学を絞り込むことができますし、第一志望の大学(もしくは、そこの入試に落ちてしまった場合には、それに次ぐ志望順位のもの)に合格した場合、迷うことなく受験を終了できるのです(SOLのような環境のない通常の教育機関では、早稲田大学のように複数の学部に出願しても一度の筆記試験で済んでしまうところや、慶応義塾大学のように主に書類審査で合否が決定してしまうところの入試で、一人の受験生が多くの学部を併願するということが多いと思います)。
また、日本の高校やその他の教育機関では、進学実績をよりよいものとするために、学力の高い生徒に第一志望の大学に合格した後も受験を続けるように指導することがあります(実際に、今年度も高校から上で述べたような要請があった生徒がいました)。さらに、帰国生入試などでは第一志望の大学の合格が確定した時点ですでに他大学の出願手続きを終えているということが一般的ですし、受験料を支払った以上は受験を続けるという人も少なくありません。そして、「生徒の自主性を尊重する」ということを建前にそのような人の動きを黙認するということも日本の教育機関では広く見られるようです。しかし、帰国生入試やAO入試、推薦入試といった入試制度では一般入試のように繰り上げ合格の制度がないため、このようなことは他の生徒の学ぶ機会を奪ってしまうことにつながってしまいます。
それに加えて、最近の子どもの中には、精神的な面が未熟な段階から中学受験に代表されるような競争への参加を強いられ、そこでの失敗やストレスに対応することができず、大きな心の傷を抱えてしまうというケースが少なくありません。受験という緊張感を伴う状況から早く生徒を解放し、精神的に安定した状況の中で将来必要になるような能力を伸ばすことに専念してもらえるようにと考えていることもあり、僕らは第一志望の大学や、他のところよりも志望順位が高い大学に合格した生徒に対して受験を終了するように指導しています(このようなことをするまでもなく、喜んで終了とする人も多いですが)。これも、合格実績にある大学の数が少なくなることにつながっているようです。
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2015年度の大学受験セミナーの合格実績についてvol. 2 ―SOL帰国生大学受験セミナーについてvol.84―
(2016年3月30日 18:45)