一橋大学の外国学校出身者入試について(2013年度版)―帰国生大学入試についてvol.227―

(2014年1月9日 17:00)

こんにちは。SOLの余語です。
前回は、京都大学で実施される外国学校出身者のための選考について、1月の初旬に出願手続き期間が設けられている経済学部のものの概要をお知らせしました。この学部の小論文試験では、経済学の研究対象となる社会的な現象や概念に関する知識が問題文の読解などに必要となりますので、受験を考えている人にはそのようなものをまとめて扱っている本を読むことを対策の一つにしてもらえればと思います。


さて、昨年の12月は様々な授業を担当していたために、記事を作成することが難しく、その間に一橋大学の外国学校出身者入試の出願手続き期間があったにもかかわらず、言及することができませんでした。この大学は書類審査が厳しいものではないので、今年度の受験を予定している人も少ないはずです。今回の記事では、来年度以降の受験者のためにこの入試を取り上げますが、出願資格の認定を受けるには「日本国籍、もしくは永住権などを有していること」「保護者の海外勤務など、やむを得ない都合で海外に渡航したこと」の他に、以下の2つの条件を満たす必要があります。


・通常の12年の学校教育課程を2013年4月1日から2014年3月31日までの間に修了している(もしくは、修了見込みである)こと
・外国の教育制度を採用する海外の高校に最終学年を含める形で2学年以上継続して在籍し卒業している(もしくは、卒業見込みである)こと



合否の判定は、第一次選抜(小論文試験、外国語試験)と第二次選抜(面接試験)の2段階の審査を通じて行なわれますが、このうち重要なのが英語やドイツ語、フランス語のいずれか一つを選択して受験する外国語試験の出来です。最も受験者数が多いと考えられる英語試験は一般入試のものと同じ問題が使用される(日本の本屋でよく売られている「赤本」で過去問を見ることができます)ため、問題文の内容はそれほど難解ではありません。しかし、文の内容を大雑把に捉え、構造などを考える習慣のない人が減点されることの多い英文和訳問題が複数出題される上に、例年、ほとんどミスのない答案を作成できるようでないと第一次選抜の段階で不合格となってしまいます。英文和訳問題の練習に加え、日本の大学入試でよく見られるイディオムなどの意味などを確認することを対策の一つとすべきでしょう。


また、面接試験においては、小論文試験の問題文や自分の書いた小論文の内容について確認されたり質疑応答の時間があったりします。これにうまく対応するためには、試験時にどのような小論文を提出したのかを記録しておくことが重要ですし、面接試験も小論文試験の延長線上と捉えて、第一次選考と第二次選考の間の期間で与えられたトピックに関する考察を深めておく必要があると言えると思います。


この試験の今年度の出願手続き期間は昨年の12月4日から9日まででした。その他の国立大学の多くと同様に、外国語で作成された提出書類の和訳を添付することが求められていますし、SATのスコアの送付に関しても注意点がありますので、出願手続きに向けた準備は11月に入った時期から始めた方がよいと思います。


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