TOEFL iBT対策の事前準備としてTOEICの学習を行なうことの必要性についてvol.2 ―英語学習の勧めvol.143―

(2013年9月9日 20:45)

こんにちは。SOLの余語です。
前回は、TOEFL iBTのWriting SectionやSpeaking Sectionにおいては文法や語法の正確な理解ができているかということが重要な評価基準になっていることを受け、それが不十分である場合には準備段階としてTOEICのPart5や6の学習に取り組むべきということを述べました。TOEICのこの2つのパートの問題を解いてみることは文法や語法に基礎的な部分(例えば、1つの英文を成り立たせるのに必要なものは何か)の習得の度合いを確認するためのよい機会となりますので、TOEFL iBTのスコアが60点台から上がらないという人には一度試してもらえればと思います。


文法や語法の学習と聞くと、日本の教育機関で行なわれているような、英語圏の国の教育制度を採用する学校の授業や日常生活の中でほとんど見ることのない細かな事項まで記憶することが求められるものを想像して嫌悪感を抱く帰国生が多くいます。この点、TOEICの文法や語法に関する知識を問うものは英語を用いていく中で必要不可欠なものに対象が限定されているうえ、暗記型の学習を経ただけであって英語の文法の感覚が定着していない人には、解きにくい出題形式となっています(特に、TOEICは日本の団体がETSに要請して作成された試験ですので、英語を暗記科目と考えがちの日本人が苦手とするものが多く出題されます)。そのため、文法学習に嫌悪感を抱く人の心理的負担も軽減することが期待でき、望ましい教材であると評価することができます(TOEFL ITPの空欄補充問題や文法・語法の誤りを見つける問題も同様です)。


なお、文法や語法の基礎的な事項について学習することは長文を読解する能力を高めるのに資するものですし、TOEFL iBTのWriting SectionやSpeaking Sectionは日本の入試で見られるような文法的に誤った箇所の数に比例して減点されるスコアが決定されるというものではなく、ある文法事項に関してどのような頻度で間違いを犯したかということを大まかな形で評価しているようです。そのため、いくつか正確に理解できていないものがあっても、この2つのセクションは比較的容易にスコアアップが期待できますので(これまでにも、have doneやhad doneの形と過去形の意味の違いがよく分からないため、過去の事柄を表す時に一貫してhave doneを用いるという人が、Writing SectionやSpeaking Sectionで満点に近いスコアを取得しているということがありました)、スコアがなかなか伸びないという場合には、まずはこれらの対策をTOEICの教材を用いる形で進めるというのが望ましいかもしれません。


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